フルサイト編集機能が気になる方へ

以下は、Josepha が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「Curious About Full Site Editing?」を訳したものです。

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今年2回目のメジャーリリースが目前に迫ってきました。WordPress 界隈で、「フルサイト編集 (Full Site Editing/FSE)」に関する話題を耳にしたことがあるかもしれません。この記事では、知っておくべき全体像と、更に詳しく知りたい方のための道しるべとなるリンクをご紹介します。

サイト保有者や、運営者の方へ

WordPress でサイトを運営されている方にとって、バージョン5.8へのアップデートは他のアップデートと同様にシームレスに行うことができるはずです。フルサイト編集に関する話題はとてもエキサイティングですが、心配する必要はありません。次のリリースでのフルサイト編集に関連するものはすべてオプトインのオプションです。自由に試すには、専用に作られたテーマが必要です。最後のリンクで例の一部をご覧ください。

サイト制作会社、テーマ/プラグイン開発者の方へ

クライアント向けに WordPress CMS の機能を拡張している場合も、バージョン5.8へのアップデートはシームレスに行うことができます。いつものように、カスタム実装の部分をステージング環境でスポットチェックするか、リリース候補 (RC 版) が利用可能になった時点で完全にテストするのが賢明です。プロダクトをテストして、完全な状態でクライアントに提供したいと考えている場合は、下記のテストオプションをご利用ください。

コントリビューターとボランティアの方へ

WordPress プロジェクトに時間と専門知識を提供していただるようであれば、WordPress 5.8 のリリースに向けた面白い作業に参加していただき、作業をやり遂げた深い満足感を持ってサイトを更新していただけます。デザインや開発、ドキュメントや翻訳など、リリースごとに多くの作業が行われます。時間に余裕があって、あなたのサイトを支えるツールを支えるプロジェクトを支援したい方は、以下のリンクをチェックしてみてください。

リソース

Gutenberg プラグインを使って、アーリーアダプターになりませんか

以下は、Chloe Bringmann が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「Become an Early Adopter With the Gutenberg Plugin」を訳したものです。

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クレジット: 文章 – Anne McCarthy (@annezazu)、デザイン – Mel Choyce-Dwan (@melchoyce)

ローカルな Meetup や信頼できるメディア、ユーザーグループなどの WordPress 界隈では、この4年間、コアエディター、Gutenberg、ブロックエディターなどの用語が同じような意味で使われているのを耳にしたことがあるかもしれません。また、プロジェクト自体のコントリビューターの活動をフォローしている方は、Gutenberg プラグイン、Gutenberg、ブロックエディターといった、また他にもニュアンスのある言葉も耳にしたことがあるかもしれません。

少しわかりにくくなることもあるので、この先を理解する助けになるよう、4つの用語をご紹介しましょう。

  • WordPress: オープンソースソフトウェアであると同時に、それを取り巻くコミュニティも意味します。
  • Gutenberg: Gutenbergは、WordPress ソフトウェアの編集エリアを更新するための複数年にわたるプロジェクトのコードネームです。
  • エディター: エディターとは、サイトの投稿やページのコンテンツを更新できるソフトウェアのセクションを指します。
  • Gutenberg プラグイン: Gutenberg プラグインは、エディターを更新するための初期の作業を共有する場所です。

Gutenberg プラグイン

さて、定義を整理したところで、Gutenberg プラグインはどんな時、何のために使うのかを説明します。このプラグインは、早期アクセスプログラムや「WordPress ラボ」のようなものと考えることができます。このプラグインは2週間ごとに更新されているため、報告されたバグは頻繁に修正され、目に見えるものは素早く変わっていきます。

Gutenberg プラグインには、まだ WordPress に導入する準備ができていない機能も含まれていますが、好奇心旺盛なユーザーがテストしてフィードバックを提供できるようになっています。これは、WordPress のリリースで安定した機能をサイトに反映させる一方で、実験的な機能をテストして改良するための一般的な手法です。Gutenberg プラグインを使用して初期の機能にアクセスできるかどうかを知るには、Make WordPress コアチームブログの 新着情報リリースの投稿コアエディターの改善投稿シリーズをチェックしてください。

Gutenberg の機能を使うのにプラグインは必要ですか ?

この答えは、ユーザーによります。一般的に言って、WordPress のコード面によほど慣れていない限り、公開して活発に利用されているサイトで Gutenberg プラグインを使うことはおすすめできません。幸いなことに、WordPress の各リリースには、複数のバージョンの Gutenberg プラグインで更新された機能がすでに含まれています。

しかし、熱心なベータテスターの方で、フィードバックを報告するのが好きだったり、プラグインの実験的な側面をオプトインやオプトアウトする方法を探るのが好きだったりするなら、Gutenberg プラグインが提供するものをしっかり使いたいかもしれない理由はいくつかあります。

  • 新機能をテストし、役立つフィードバックをしてみましょう。例えば、このプラグインを使って、 フルサイト編集のテストを手伝えます。 
  • 実験的な機能をオプトインまたはオプトアウトするタイミングをコントロールしながら、最新かつ最高の機能にいち早くアクセスできます。 
  • テーマ作者、プラグイン開発者、制作者などが、将来に向けて準備することができます。

すでに Gutenberg プラグインを使用し、GitHub でフィードバックを共有している皆さん、ありがとうございます。このようなフィードバックは、WordPress のリリースに含まれる機能の安定性を確保するために役立ちます。 

WordPress 5.7.1 セキュリティとメンテナンスのリリース

以下は、Peter Wilson が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「WordPress 5.7.1 Security and Maintenance Release」を訳したものです。

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WordPress 5.7.1 が利用可能になりました。

これは2点のセキュリティ修正と26点のバグ修正を含んだセキュリティとメンテナンスのリリースです。セキュリティ修正を含むものですので、今すぐサイトを更新することを勧めます。WordPress 4.7 以降の全メジャーバージョンの更新も併せて行われています。

WordPress 5.7.1 は短いサイクルでのセキュリティとメンテナンスのリリースです。次のメジャーバージョンリリースは 5.8 になります。

WordPress 5.7.1 は WordPress.org からダウンロードするか、ダッシュボード > 更新 メニューで 今すぐ更新 をクリックして更新できます。

自動バックグラウンド更新がサポートされたサイトではすでに更新のプロセスが始まっているでしょう。

セキュリティ更新

バージョン 4.7 から 5.7 までのすべての WordPress に影響する2点のセキュリティ問題が修正されました:

  • SonarSource により報告された、PHP 8 環境で発生するメディアライブラリの XXE 脆弱性。
  • Mikael Korpela により報告された、REST API のデータ露出脆弱性。

非公開での脆弱性情報提供にご理解くださった報告者の皆さんに感謝します。それによってセキュリティチームは時間を稼ぐことができ、実際に WordPress サイトが攻撃を受けるより前に脆弱性を修正することができました。

これらの問題に関して、Adam Zielinski、Pascal Birchler、Peter Wilson、Juliette Reinders Folmer、Alex Concha、Ehtisham Siddiqui、Timothy Jacobs、そして WordPress セキュリティチームの多大な貢献がありました。

より詳しい情報は、Trac 上の変更点の完全なリストを参照、または 5.7.1 の HelpHub ドキュメンテーションページを確認してください。

感謝と称賛を

(翻訳者より: 日本語版では貢献者全員の名前を載せることができませんので、オリジナルの英語版リリース告知をぜひ参照してください。)

ブロックパターンの作り方

以下は、Beatriz Fialho が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「So you want to make block patterns?」を訳したものです。

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ブロックパターン

テーマやプラグインなど、WordPress のブロックエディターで何かを作ったことがある人は、ブロックパターンについても聞いたことがあるかもしれません。

WordPress に同梱されているパターンを眺めていて、これについて短い記事を書くのも良いかなと思いました。パターンは知っているととても便利なショートカットなのですが、一体何なのかとか、使う場面を知らない方も多いと思います。

ブロックパターンとは

パターンはあらかじめ配置されたブロックの集まりで、多様に組み合わせたり配置を変えることができるので、美しいコンテンツをもっと簡単に作れるようになります。レイアウトをスタートするためのツールとして、必要に応じてコンテンツに追加してすぐに使うことがで、1個のブロックのようなシンプルなものから、全ページのレイアウトのような複雑なものまであります。

ブロックライブラリ内のブロックパターン

パターンは、ブロックライブラリのタブに格納されています。クリックしたりドラッグしたりすると、サイトのスタイルでプレビューできます。

ブロックパターンの例

基本的にブロックパターンとは、あらかじめ束ねられた単なるブロックです。

<!-- wp:group -->
<div class="wp-block-group"><div class="wp-block-group__inner-container"><!-- wp:separator {"className":"is-style-default"} -->
<hr class="wp-block-separator is-style-default"/>
<!-- /wp:separator -->
<!-- wp:image {"align":"center","id":553,"width":150,"height":150,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none","className":"is-style-rounded"} -->
<div class="wp-block-image is-style-rounded"><figure class="aligncenter size-large is-resized"><img src="https://blockpatterndesigns.mystagingwebsite.com/wp-content/uploads/2021/02/StockSnap_HQR8BJFZID-1.jpg" alt="" class="wp-image-553" width="150" height="150"/></figure></div>
<!-- /wp:image -->
<!-- wp:quote {"align":"center","className":"is-style-large"} -->
<blockquote class="wp-block-quote has-text-align-center is-style-large"><p>"Contributing makes me feel like I'm being useful to the planet."</p><cite>— Anna Wong, <em>Volunteer</em></cite></blockquote>
<!-- /wp:quote -->
<!-- wp:separator {"className":"is-style-default"} -->
<hr class="wp-block-separator is-style-default"/>
<!-- /wp:separator --></div></div>
<!-- /wp:group -->

ブロックエディターを使っていくつかのブロックを好きなように設定するだけで、難しい作業の部分は終了です。

ブロックライブラリに入れるには

ハンドブックにはもっと詳しい説明がありますが、結論から言うと以下のとおりです。

<?php 
/*
Plugin Name: Quote Pattern Example Plugin
*/

register_block_pattern(
	'my-plugin/my-quote-pattern',
	array(
		'title'       => __( 'Quote with Avatar', 'my-plugin' ),
		'categories'  => array( 'text' ),
		'description' => _x( 'A big quote with an avatar".', 'Block pattern description', 'my-plugin' ),
		'content'     => '<!-- wp:group --><div class="wp-block-group"><div class="wp-block-group__inner-container"><!-- wp:separator {"className":"is-style-default"} --><hr class="wp-block-separator is-style-default"/><!-- /wp:separator --><!-- wp:image {"align":"center","id":553,"width":150,"height":150,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none","className":"is-style-rounded"} --><div class="wp-block-image is-style-rounded"><figure class="aligncenter size-large is-resized"><img src="https://blockpatterndesigns.mystagingwebsite.com/wp-content/uploads/2021/02/StockSnap_HQR8BJFZID-1.jpg" alt="" class="wp-image-553" width="150" height="150"/></figure></div><!-- /wp:image --><!-- wp:quote {"align":"center","className":"is-style-large"} --><blockquote class="wp-block-quote has-text-align-center is-style-large"><p>"Contributing makes me feel like I\'m being useful to the planet."</p><cite>— Anna Wong, <em>Volunteer</em></cite></blockquote><!-- /wp:quote --><!-- wp:separator {"className":"is-style-default"} --><hr class="wp-block-separator is-style-default"/><!-- /wp:separator --></div></div><!-- /wp:group -->',
	)
);

?>

👆 これは PHP のスニペットですので、WordPress のプラグインに落とし込んだり、もっと簡単に言えば、テーマのfunctions.php ファイルに貼り付けたりすることができます。完了すると、以下のようになります。

区切り線、中央配置の画像、引用、区切り線を含むブロックパターン

画像を含むパターンでは、画像をどこに保存するかを考える時間を割く価値があります。TT1 Blocks テーマ (“TwentyTwentyOne Blocks” の略) では、画像をテーマライブラリに保存しています。

次のステップ

ブロックパターンは、ブロックライブラリから挿入した時点でユニットとしてのまとまりを失ってしまいます。作ったパターンから切り離された単なるブロックの寄せ集めになり、好みに合わせてカスタマイズできるものになるのです。パターンはテンプレートではなく、あくまでもショートカットです。これはつまり、テーマの切り替えやパターンプラグインの無効化を気にする必要はないということでもあります。挿入済みのブロックがどこかに行ってしまうこともありません。

とはいえ、あるパターンをとても気に入って、まったくカスタマイズせずに何度も使いたい場合は、再利用ブロックにすることもできます。

再利用ブロックは、その名の通り、再利用するために作成されます。この機能を使うのに良い場面は、よく使うちょっとしたスニペットを保存しておいて、一箇所で編集することで挿入したものすべてを更新するといった時です。「Twitter でフォロー」、「シリーズに含まれる記事一覧」、「メルマガ購読」などがその好例です。

良いブロックパターンとは

現在 WordPress コアに含まれるパターンは、利用できる機能によって制限されます。ブロックエディター上で文字間隔をカスタマイズできない場合、ブロックパターンでもそれは実現できません。グローバルスタイルプロジェクトではブロックの機能を拡張していく予定ですが、それまでは、利用可能なツールを使っていくしかありません。

それでも、色、画像、タイポグラフィといった最も基本的な要素があれば、多くのことが可能になります。

画像とテキストを含む3カラムのブロックパターン
画像とテキストを含む3カラム
右側に画像 、左側にメディアとテキストを配置したブロックパターン
右側に画像 + メディアとテキスト

これらのパターンは、WordPress のコアに採用される可能性があるものとしてデザインしたのですが、すべてに共通するいくつかの特性があります。

テーマが共通している。

パターンは、サイトの一部と考えることができます。パターンは全体の一部であるため、同じテーマを共有する他のパターンの文脈の中で存在するのが最も効果的です。上のパターンには、「自然」、「アート」、「建築」といったテーマを共有したものなどがいくつかあります。このように、複数のパターンを組み合わせることで、サイトの複数のページを一度にまとめることが可能になります。

画像背景のカバーブロック上に見出し、パラグラフ、ボタンを配置したブロックパターン

ミニマルなカラーパレットが共通している。

全体を構成するパーツであるパターンは、必然的に異なる色を使ったコンテキストで使われます。色数を減らすことで調和の可能性が高まると同時に、ジャストフィットさせるためのカスタマイズも少なくて済みます。

見出しと2カラムのパラグラフを含むブロックパターン

最高のパターンは、それなくしてはできないようなことを実現する。

画像をオフセットしてユニークなシルエットを作ったり、目立たない機能 (カバーブロックの固定配置など) を利用したりすることで、創造性を発揮することができます。

ヒント: プラグイン由来のブロックも含めて、どんなブロックでもパターンに使うことができます。また、そのブロックがブロックディレクトリにあって、まだお使いの WordPress に存在しない場合は、ワンクリックでインストールするよう促されます。

こちらのプラグインをどうぞ

<?php 
/*
Plugin Name: Quote Pattern Example Plugin
*/

register_block_pattern(
	'my-plugin/my-quote-pattern',
	array(
		'title'       => __( 'Quote with Avatar', 'my-plugin' ),
		'categories'  => array( 'text' ),
		'description' => _x( 'A big quote with an avatar".', 'Block pattern description', 'my-plugin' ),
		'content'     => '<!-- wp:group --><div class="wp-block-group"><div class="wp-block-group__inner-container"><!-- wp:separator {"className":"is-style-default"} --><hr class="wp-block-separator is-style-default"/><!-- /wp:separator --><!-- wp:image {"align":"center","id":553,"width":150,"height":150,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none","className":"is-style-rounded"} --><div class="wp-block-image is-style-rounded"><figure class="aligncenter size-large is-resized"><img src="https://blockpatterndesigns.mystagingwebsite.com/wp-content/uploads/2021/02/StockSnap_HQR8BJFZID-1.jpg" alt="" class="wp-image-553" width="150" height="150"/></figure></div><!-- /wp:image --><!-- wp:quote {"align":"center","className":"is-style-large"} --><blockquote class="wp-block-quote has-text-align-center is-style-large"><p>"Contributing makes me feel like I\'m being useful to the planet."</p><cite>— Anna Wong, <em>Volunteer</em></cite></blockquote><!-- /wp:quote --><!-- wp:separator {"className":" s-style-default"} --><hr class="wp-block-separator is-style-default"/><!-- /wp:separator --></div></div><!-- /wp:group -->',
	)
);

?>

パターンを作りたい場合のために、このサンプルプラグインでは、上でご紹介したパターンのうち2つを採用しています。プラグインのフォルダーに入れれば、ブロックライブラリに表示されます。

アバターと引用のブロックパターンが追加されたパターンタブ
「テキスト」カテゴリーにインストールされたパターン

自由に調整し、カスタマイズして、お好みのようにしてください。結局のところ、これは GPL ですから !