WAV
拡張子 | .wav |
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MIMEタイプ | audio/vnd.wave, audio/x-wav |
タイプコード | WAVE |
UTI | com.microsoft.waveform-audio |
マジック ナンバー | WAVE (8バイト目から) |
開発者 | マイクロソフト、IBM |
種別 | 音声 |
派生元 | RIFF |
WAVまたはWAVE(ウェイヴ、ウェヴ、ワヴ) (RIFF waveform Audio Format) は、マイクロソフトとIBMにより開発された音声データ記述のためのフォーマットである。RIFFの一種。主としてWindowsで使われるファイル形式である。ファイルに格納した場合の拡張子は、.wav。
RIFF上の識別子は「WAVE」であるが、拡張子から、WAVフォーマットという呼び名が一般化した。音楽業界ではweb(ウェブ)と響きを区別する為に、ワブとも呼ばれる。
通常は非圧縮、リニアPCMのサンプリングデータ用のフォーマットとして扱われるが、WAVはいわゆるコンテナ形式で、データ形式は自由であり、μ-lawや、ADPCM、MP3、WMAなどの圧縮データを格納することもできる。Windows以外のOSで作成したリニアPCMデータを直接Windowsで閲覧するとwavとして認識される。
WAVフォーマットでは、データ長が32ビット符号なし整数型で記述されているため、4GBを超えるファイルを作成できない。この制限を越えるため、データ長を64ビット符号なし整数型で記述するWave64 (.w64) というフォーマットも存在する。
RIFFのチャンクとして、WAVファイル内にタグ情報を付加する事が出来るが、使用する文字コードは特に規定されておらず、互換性に問題が生じ易い仕様になっている。
仕様[ソースを編集]
RIFF[ソースを編集]
RIFFファイルはタグ付きのファイル形式で、チャンクと呼ばれるコンテナの集合である[1]。
チャンクには4文字のタグ)FourCC)とチャンクのサイズ(バイト数)があり、タグによってチャンクのフォーマットが区別される。
いくつか標準的なタグがあり、4文字すべてが大文字のタグは予約されたタグである。
RIFFファイルの一番外側のチャンクはRIFFタグを持つ。
チャンクデータの最初の4バイトはフォームの種類を指定するFourCCでその後ろにサブチャンクが続く。
WAVファイルの場合、FourCCはWAVE
である。
RIFF形式ではチャンクの出現順には一般的な規定がないが、fmt
チャンクはdata
チャンクの直前に置くという例外がある。
タグファイル形式の利点として、RIFFファイルの利用者が知らないタグは読み飛ばし、処理可能なチャンクのみを扱うことができる点があげられる。
RIFFフォーマットにおいて複数バイトで表現されるデータの並びはリトルエンディアンである。
RIFFファイルの一例を挙げる。
この例ではオフセット0x0にRIFF
チャンクがあり、チャンクの長さは0x00630b20である。
FourCC
はWAVE
であり、ファイルがWAVファイルであることを示している。
オフセット0x12からはサブチャンクが続く。
オフセット0x30からfmt
チャンクが始まり、オフセット0x48からdata
チャンクが始まっている。
00000000 52 49 46 46 20 0b 63 00 57 41 56 45 4a 55 4e 4b RIFF .c.WAVEJUNK 00000010 1c 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 ................ 00000020 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 ................ 00000030 66 6d 74 20 10 00 00 00 01 00 02 00 44 ac 00 00 fmt ........D... 00000040 10 b1 02 00 04 00 10 00 64 61 74 61 d8 0a 63 00 ........data..c. 00000050 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 ................ 00000060 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 ................ 00000070 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 ................ 00000080 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 ................ ...
fmt チャンク[ソースを編集]
fmt
チャンクの構造は、WAVEFORMATEX構造体などによって定義される[2]。
チャンネル数、サンプルレート、サンプルのビット数などが定義される。
typedef struct { WORD wFormatTag; WORD nChannels; DWORD nSamplesPerSec; DWORD nAvgBytesPerSec; WORD nBlockAlign; WORD wBitsPerSample; // PCMWAVEFORMATで追加 WORD cbSize; // WAVEFORMATEXで追加 } WAVEFORMATEX;
上記の他、サイズが16バイトでcbSizeが存在しないPCMWAVEFORMAT構造体や、サイズが40バイトでcbSizeの値が22のWAVEFORMATEXTENSIBLE構造体などがある。
フォーマットはwFormatTagであらわされ、例えばリニアPCMの場合は1(WAVE_FORMAT_PCM
)、浮動小数点数PCMの場合は3(WAVE_FORMAT_IEEE_FLOAT
)となっている。
これらの定数はWindows SDKに含まれるmmreg.h[3]によって定義されており、さらにそれぞれのフォーマットによってfmt
チャンクの構造の詳細が決まる。
dataチャンク[ソースを編集]
data
チャンクの中身はfmt
チャンクによって定義されるフォーマットに基づく。
2チャンネルのリニアPCMの場合には、左チャンネル・右チャンネルの順に符号付整数(2の補数)で格納される。
浮動小数点数で格納される場合、慣習からデータ値の範囲は-1.0から+1.0に限られる。
Windows上での圧縮[ソースを編集]
Windows上では、ACMを利用すれば、圧縮などが行える。この機能が利用できるソフトウェアとして、サウンド レコーダーがある。
脚注[ソースを編集]
関連項目[ソースを編集]
- AIFF - wavと同じ用途で使用されるコンテナフォーマット
- Broadcast Wave Format (BWF) - wavの内包するデータを厳密化、チャンクを拡張した形式
- Cwav - wavを利用した圧縮形式
外部リンク[ソースを編集]
- Extensible Wave-Format Descriptors from Microsoft (Updated October 26, 2017)
- WAVE File Format - technical details (1999)