WordPress が18歳になりました

WordPress がリリースされてから今日で18周年を迎えました。親しみを込めてこの日を「WordPress の誕生日」と呼んでいますが、つまり WordPress は6,575日前に誕生したことになります。太陽が一回りしたことを祝うために、これまでもコミュニティパーティを開き、データを共有し、ストーリーを語ってきました。

前回の誕生日以来、40番目のリリースを開発し、ウェブの40%以上をサポートするようになりました。そこで、今年の誕生日には、そこに至るまでの40のマイルストーンのリストを紹介するのがふさわしいと思います。

お祝いのケーキや祝杯を手に、ぜひスクロールしてみてください。

すばらしき10年間

以下は、Matt Mullenweg が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「WordPress › Ten Good Years」を訳したものです。


僕たちがこのプロジェクトをスタートして、10年が経ちました。ずいぶん遠くまできたものです。僕とマイク・リトル気に入っていたブログソフトウェアをフォークすることを話し合った時から、Web 全体の18%をカバーするようになるまで、クレージーでエキサイティングな道のりでした。そしてこの旅は、まだ終わりません。

10年という節目に、始まりを振り返ってみるのも楽しいものです。WordPress をリリースしたのは2003年5月27日でしたが、それが本当の始まりだったわけではありません。もっと前に遡れば、そのころあったセルフホスティング型ブログプラットフォームにフラストレーションを感じていたミッシェル・ヴァルドリッヒが自分のソフトウェアを書くことにしたのが発端です (ミッシェルの投稿も読むことができます) 。彼は「PHP+MySQL を使った、Blogger・GreyMatter の代替案」として b2 を開発しました。b2 は簡単にインストール・設定でき、開発者が拡張するのも簡単でした。そのころあった多くのブログソフトウェアのうち、b2 は僕に合っていました。コンテンツを書いて、すばやく楽に Web に公開できたからです。

時に、人生というのはプロジェクトの邪魔をすることもあります。2002年に、ミッシェルは b2 のメンテナンスをやめてしまいました。時間が経つにつれてセキュリテイ上の問題が明らかになり、アップデートが必要になってきました。b2 コミュニティがパッチや修正を作成することもできたのですが、誰もこのソフトウェアプロジェクトを前に進めていこうとする人がいませんでした。ミッシェルが b2 を GPL ライセンスでリリースするよう決めてくれたことは、僕らにとってラッキーでした。ソフトウェア自体が見捨てられてしまっても、オプションがなくなってしまうわけではないからです。可能性が常にあったのです。僕が b2 をフォークすることについてブログを書きマイクがコメントしてくれた 2003年1月の状況は、そんな感じでした。それから先のことは、いわゆる「歴史」となりました。

最初の頃から今日まで、僕は WordPress に関わる開発者たちの考え方、気配り、そして情熱に感銘を受けてきました。みんながそれぞれユニークな視点を持ってきてくれて、ひとりひとりが全体を強くしてくれました。すべての人たちにひとりずつお礼を言うことは不可能です。でも、みなさんの成し遂げてきたことを見れば、そのすばらしさは明白です。WordPress 1.2 では、新プラグイン API によって開発者が WordPress を拡張しやすくなりました。この同じリリースで、gettext() 国際化がすべての言語に対して WordPress の入り口を開いてくれました (何時間もかけて文字列を gettext 関数で書き換えてくれた、ライアン・ボレン。ありがとう ! ) 。WordPress 1.5 では、テーマシステムの導入により WordPress のユーザーはサイトのデザインをすばやく変えることができるようになりました。その頃、コミュニティからテーマシステムに対する大きな反発がありましたが、今ではテーマがない WordPress なんて考えられませんよね。バージョン 2.7、2.8、2.9 では、プラグインやテーマをワンクリックインストールするための改善を行いました。WordPress は Happy Cog (2.3) によるリデザインも経験し、大規模なユーザーテストと再度のリデザイン (Crazyhorse / リズ・ダンジコとジェン・マイロ / WordPress 2.5) を行いました。WordPress 3.0 では WordPress MU (マルチサイト) と WordPress を統合。ものすごく大変な作業でしたが、苦労の分の価値があったといえます。そして WordPress 3.5 ではメディアアップローダーを改善し、画像・動画・メディアをオンラインで公開するのをさらに簡単にしました。

ユーザーエクスペリエンス向上のために最大限の努力をした結果、あまり支持されなかった変更もいくつかありました。WYSIWYG エディターは多くの人(特に「HTML を知らなければブログを書くべきではない」と感じていた人たち)に嫌がられました。僕らが書き換えを行わず古いコードにこだわっていたことを嫌がる開発者もいました。でも僕らにとっていちばん重要なのはいつもユーザーであり、それは今も変わりません。開発者が気を揉むことになったとしても、ユーザーのサイトが壊れてしまうよりはいいということです。WordPress のコードには美しいといえないものもあります。WordPress が始まった頃、僕たちの多くはまだ PHP を学んでいる途中だったのです。でも、常にユーザーにとっての体験がなるべくスムーズになるように努めてきました。

開発者がすべての中心というわけではないのです。WordPress の強みは、コミュニティの多様性にあります。初心者への敷居は低くしたかったので、プロジェクトの初期に「5分間インストール (famous 5 minute install) 」というフレーズを採用しました。これによって、さまざまな技術的背景を持つユーザーが使い始めてくれました。コードを書かないユーザーも、WordPress をもっと良くするために手を貸したいと思ってくれました。コードが書けないことは問題ではありません。サポートフォーラムで質問に返事をしたり、ドキュメンテーションを書いたり、WordPress を翻訳したり、友達や家族に WordPress でサイトを作ってあげることもできたからです。WordPress への情熱を持つすべての人には、コミュニティの中での居場所があります。

これまで、インターネット上に自身の「ホーム」を構築するために WordPress を使ってくれた人たちを目にしてきましたが、とてもすばらしいことです。初期の頃、僕らは「スイッチャー (switchers、サイトを切り替えた人) 」たちを見つけてはとても興奮したものでした。ライターのオム・マリックマーク・ピルグリムモリー・ホルツシュラグなどが WordPress にスイッチすることで、僕らは実験やイタズラ好きな人達が集まるコミュニティの中で大きくなっていきました。パブリッシングをもっと楽にするために専念してきた僕らの努力は間もなく功を奏し、その勢いは今も続いています。WordPress 1.2 リリースの一日平均ダウンロード数は822回でした。最新版 WordPress 3.5 では、一日に145,692回ダウンロードされています。

ユーザーの方が WordPress を使って作り出すものにはいまだに驚かされます。ミュージシャンフォトグラファーライフ誌などの雑誌社、BoingBoingニューヨーク・オブザーバー政府のサイトファイルシステムモバイルアプリ、そして WordPress がミサイルを誘導するのさえ目にしました。 🙂

Web が進化するに従って、WordPress も進化しています。僕らのコントロールできない外的要因は、常に WordPress の開発に影響を及ぼしています。今日のモバイルデバイスや Retina ディスプレイのような要素は、将来には Google Glass やまだ発明されてもいない技術になるかもしれません。10年間というのは、たくさんのことが起こりうる期間です ! テクノロジーが変化し前進していくにつれて WordPress も変化していく必要がありますが、「オンラインパブリッシングを誰にとっても簡単なものにすること」というコアバリューには忠実でいなければなりません。こういったチャレンジをどうやって乗り越えていくかによって、これから10年の WordPress がどんなものになるかが決まるといえるでしょう。

WordPress の10年間を祝して、歴史を記した電子書籍を作成中です。現在、コミュニティに最初の方から関わってくれていた人たち、今も関わってくれていいる人たち、そして今は参加していない人たちにインタビューしているところです。これは非常に大きなプロジェクトですが、10周年の年になにか共有できるものを残したかったのです。僕とマイクが b2 をフォークした直後、WordPress の初期の時代について知りたい方は、3章をこちらからダウンロードできます。残りの内容は徐々に公開していく予定ですので、お楽しみに。

一方、僕も WordPress への手紙を書き、ほかのコミュニティメンバーも思いをシェアしてくれました。

WordPress の10周年記念が世界中で祝われた様子は、wp10 サイトでご覧いただけます。Meetup.com のサイトによると、計4,999人の参加者がいたそうです。

終わりに、みなさんに「ありがとう」とお伝えしたいです。コードを書いてくれる開発者、WordPress を彩ってくれるデザイナー、そして WordPress をたくさんの言語に翻訳してくれる世界中のコミュニティ、サポートの質問に答えてくれるボランティアの皆さん、WordPress をアクセシブルにするために努力してくれている皆さん、システムチーム、プラグイン・テーマレビューチーム、ドキュメンテーション執筆者、イベント運営者、エバンジェリスト、批判をしてくれた人たちも、支えてくれた人たちも、友だちも。音楽を通して僕たちをインスパイアしてくれたり、WordPress のリリース版ニックネームとして名前を貸してくれたジャズ・ミュージシャンたちに。WordPress を使ってブログを書いたりサイトを運営している皆さんに、そして、これから WordPress を使ってくれる皆さんに、ありがとう。それから、WordPress と、一人のメンバーとして誇りに思う WordPress コミュニティに感謝の気持を込めて。

ありがとう。これからの10年、どんなことが起こるか待ちきれません。

最後になりますが、この投稿を手伝ってくれたショバーン・マキューン、ありがとう。

2012年の振り返り

以下は、Jane Wells が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「2012: A Look Back」を訳したものです。


新しい年を迎えるにあたって、2012年について振り返ってみたいと思います。WordPress コミュニティはこれまで以上に力強く成長しており、過去12ヶ月の間に達成できたことはもう一度思い返してみる価値があるものだと思います。

ソフトウェアリリース

2012年には WordPress ウェブアプリケーションのバージョン 3.43.5 というメジャーリリースを公開しました。また、セキュリティバグフィックスリリースは5回でした。3.4 にはテーマカスタマイザーを追加し、3.5 には長い間待ち望まれていたメディア関連のリニューアルを行いました。こちらには、新しいメディアアップローダーとギャラリー管理ツールが含まれています。3.5 ではコードを貢献してくれた人の数が過去最高となりました。これからも貢献者のグループをさらに成長させていきたいと思っています。現在、iOSAndroidBlackberryWindows PhoneNokiaWebOS という6つのモバイルプラットフォームのネイティブアプリが公開されていますが、これらのアプリでも数多くの更新がありました。

プラグインディレクトリ

プラグインディレクトリの改善も数多く行いました。プラグインページヘッダーの導入によるプランディングのような体裁を整えるためのリニューアルによって、プラグインを探すとき見やすくなったという効果がありました。さらに、サポートフォーラムの連携改善、プラグインレビュー、お気に入りプラグイン機能といった改善で、ディレクトリをより便利なリソースとして使えるようになりました。

“Make” ネットワークとチーム代表

2012年は、Make.wordpress.org を立ち上げた年でもありました。これは、WordPress プロジェクトの異なるエリアに関与する貢献者のチームのためのサイトネットワークです。誰でも core(コア)、theme review(テーマレビュー)、forum support(フォーラムサポート)、documentation(ドキュメンテーション)といったチームのアクティビティを追ったり、参加したりできるようになりました。2013年にはこれらのサイトをさらに改善し、貢献がしやすくなるようにしたいと思っています。各チームに代表(Team Rep)という新しい役割の人が置かれるようになったことで、チームの相互コミュニケーションがより活発になっています。チーム代表は毎週 Updates blog に投稿し、活動を他のチームに共有しています。

WordPress コミュニティサミット

10月の終わりに、約100名の影響力があり尊敬すべきコミュニティのメンバーたちが初のコミュニティサミットに参加し WordPress の現状や今後についての話し合いが持たれました。「会話の会議(conference of conversations)」として、このアンカンファレンスでは誰もが活発な参加者となりました。持ち込まれたすべての課題がイベント中に解決に至ったわけではありませんが、適切な質問が出されたと言えます。

Meetup.com

WordPress ファウンデーションでは現在、Meetup.com にアカウントを持っています。数十個の既存の Meetup.com グループにパイロットテストとして参加してもらい、有料アカウントの会費免除プログラムをスタートしました。これで、ローカルコミュニティ運営者が無料でサービスを利用しながら WordPress プロジェクトからのサポートを受けることができるようになります(訳注: 日本では Meetup.com の有料アカウントを使っているローカルコミュニティはあまりないため、WordBench でのグループ作成が中心となっています)。

インターネット・ブラックアウト・デー

私たちは2012年1月18日に、SOPA/PIPA への抗議としてインターネット・ブラックアウト・デーに参加しました。通常政治的な問題は取り扱わないようにしていますが、この活動は重要なものだと考えたため WordPress.org のサイトをブラックアウトし、他のサイトにも参加してもらうよう呼びかけました。ブラックアウトするための機能を持つプラグインをおすすめしたりもしました。インターネット・ブラックアウト・デーは、史上最大のオンライン抗議運動となったそうです。

WordCamp

最後に、もちろん WordCamp のことに触れなければなりません ! 2012年には世界中で67回の WordCamp が行われ、WordPress ユーザー、開発者、ファンが集まりました。去年 WordCamp に参加できなかった方は、今年の新年の抱負として参加を計画してみてはいかがでしょう。スケジュールをこまめにチェックして、世界の WordCamp の開催情報を見つけてください。

プラグインディレクトリの改善

以下は Matt Mullenweg が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「Plugin Directory Refreshed」を訳したものです。


ここのところ数日、WordPress.org ハッカー達数人(Scott、Nacin、Otto)とバーベキューを食べつつ公式プラグインディレクトリの改善について話したりしていました。現在、ディレクトリには19,000個以上のプラグインがあります。多くの人たちにとってプラグインは WordPress の最も大事な部分でもあるので、ディレクトリにもうちょっと手をかけてあげないと、と思っていました。以下に今回の改善前と後のスクリーンショットを掲載します(クリックで拡大)。

最初に注目したのは、プラグインに関するディスカッションとサポートをもっとわかりやすくするという点です。

    • プラグインについてのフォーラムスレッドを、プラグインページの「Support(サポート)」タブに直接表示するようにしました。各プラグインに独自のフォーラムを提供しています。
    • プラグイン作者の Gravatar 画像を大きくし、位置を改善しました。これで、使っているプラグインを誰が作ったのかひと目でわかるようになるはずです。
    • さらに、プラグインがどれだけ活発・丁寧にサポートされているかを表示するため、“16 of 75 support threads in the last two weeks have been resolved.(過去2週間で、75件中16件のサポート質問が解決済みになっています)” というメッセージが出るようになりました。
    • ログインしていれば、“Favorites(お気に入り)” 機能で好きなプラグインをマークできます。マークしたプラグインはプロフィールページに表示されるので、あとでチェックするのが簡単になります。この機能は数日前にひっそり公開しましたが、すでに2000回もマークがつけられています!
    • プラグインフォーラムでトピックの固定表示ができるようにしました。よく聞かれる質問や、重要な情報をフォーラムで目立たせられます。コミッターとなった人はフォーラムのモデレーターアクセスを得ることができます。
    • プラグインのタグが付いているフォーラムスレッドではプラグイン名のヘッダーやその他のリソースへのリンクも表示されます。

    プラグイン作者の皆さんのために、サポートの件数についてまずは2週間という短い閾値を設定してみました。これで、とりあえず最近の質問にキャッチアップしてみてください。将来的には2年間にこの期間を広げようと思っています。

    さらに、フォーラムとプラグインページのスタイルをちょっと整理してみました。まだやりたいことは残っていますが、ユーザー・開発者に便利な改善を加えました。少し前に追加したものも含め、ご紹介します。

    • しばらく前からプラグインページにヘッダー画像がつけられるようになっています。とても人気のようで、すでに1,600個のプラグインで画像が使われています。
    • 他の作者のプラグインレポジトリからのコミット通知メールを受け取れるようになりました。好きなプラグインの開発をフォローするのには最高の方法です。朝起きると changeset 通知が届いている、すばらしい一瞬ですよね。
    • 表面からはわかりませんが、プラグイン管理者もまだ知らないかもしれないセキュリティやその他の問題に対し、レポジトリ全体を積極的にスキャンするシステムを大幅に強化しました。レポジトリの品質がかなり上がっています。

    これらはすべて、フィードバックや利用データをもとに進化していく予定ですが、数日のメンフィス滞在中に重要な改善を達成できたのでよかったと思います(WordCamp でよくバーベキューが提供されているのは、こうやってコーディングが魔法のようにはかどるからです 😉 )

State of the Word 〜WordPress のいま〜

以下は、Matt Mullenweg が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「State of the Word」を訳したものです。


この一年は WordPress にとって、非常に刺激的な年でした。僕らは世界のトップ100万サイトのうち 14.7% を占めるまでに成長し(これは前年の、8.5%から比べても伸びを示しています)、最新のデータによると、米国で新規登録された使用中の100ドメインのうち、22ドメインで WordPress が利用されているそうです。

さらに先日、初めてユーザー・開発者へのアンケートを行いました。これに対しては、世界から1万8千件の回答がありました。

WordPress アンケート回答者の所在地

この回答より、すでにいくつか興味深い情報を発見しました。例えば、回答者のうち6,800人が自営業(フリーランス含む)で、個人的に合計17万サイトを運営しており、開発に対する平均時給は50ドルとのことです。世界的に経済的に厳しい状況の中、オープンソースがこれほどの仕事を生み出しているというのは心強いことです(もし各サイトにかけた時間が3時間だったとしても、平均時給で合計すると回答者だけでも合計2億ドル分の仕事ということになります)。

このデータなどについて、先日行われた WordCamp サンフランシスコ「State of the Word」スピーチでお話しさせていただきました。これは、WordPress.tv でご覧いただけます。

このアンケート結果にはもっと面白い内容がきっと含まれているはずですので、未加工データをオープンソースとしてリリースします。ブログやオープンソースの研究をしていて、匿名のアンケートデータをじっくり眺めてみたいという方はこちらからダウンロードしてください(9MB の CSV ファイルですのでご注意ください!)。

今、これまでにないほど、WordPress のコミュニティの一員であることはすばらしいと言える時だと思います。WordPress コミュニティをこんなにすてきな場所にしてくれた人たちみなさんに「ありがとう!」と言いたい気持ちでいっぱいです。

さあ、これからまたがんばらないと。まだ Web 全体の 85.3% が僕らのヘルプを必要としていますから :)

日本語サイトのショーケース

当サイトのトップページに、新しいセクションができました。日本語の WordPress サイトを紹介する「ショーケース」です。

ショーケース

英語版の WordPress.org には今までもショーケースサイトがありましたが、今回ミニバージョンとしてこちらでも日本語サイト向けの紹介を始めました。登録しているサイトのうち3つが、常にランダムに表示されます。

ここに掲載しているサイトの基準は、以下のとおりです。

  • WordPress を他にない方法や、または創造力に富んだ用途に使っている。
  • 一般的な読者が数多くいる。
  • 有名な人や特定の分野で著名な人によって書かれている。
  • 著名な組織・政府団体・企業などの公式ブログやサイトとして使われている。

これらのいずれか、もしくは複数を満たすサイトを選んでいます。もしショーケースに掲載すべきサイトがありましたら、お問い合わせフォームからご推薦ください。その場合、上記の条件に一致するサイトのみを送ってくださるようよろしくお願いします。

WordPress Foundation

以下は、2010年1月22日に Jane Wells が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「WordPress Foundation」を訳したものです。本文内のリンク先はすべて英語ページです。


WordPress Foundation のサイトに、最初の投稿が行われたことをご報告できるのを心より嬉しく思います。この組織の後援で今後どういうことが起こっていくのかを考えるだけでもわくわくしますが、もうひとつとても楽しみなことに、同サイトは WordPress 3.0 に含められる新デフォルトテーマ「2010」の開発バージョンを使っているんです。ぜひ、ご覧になってみてください

WordPress 2.0.x 系の使用は非推奨となりました

以下は、2009年7月30日に書かれた WordPress.org 公式ブログの記事、「The WordPress 2.0.x Legacy Branch is Deprecated」を訳したものです。WordPress 日本語ローカルサイトでは WordPress 2.0.x 系については提供しておりませんが、WordPress ME 2.0.x サポートにて WordPress ME への有志によるサポートが提供されています。

WordPress ME 2.0.x サポート » 本家版 2.0.x はサポート打ち切りにて、今後の WordPress ME サポートに関するアナウンスが表明されています。ME 版をお使いの方はご確認ください。


WordPress チームは 当初2010年まで WordPress 2.0.x 系をメンテナンスすることを表明していました。残念ながら、それは私たちが少し楽観視しすぎていたようです。2010年よりも数ヶ月早く 2.0.x 系を廃止し、非推奨とすることにしました。

過去数年の WordPress の新バージョンでは行った数多くのセキュリティ改善では、様々なシステムの扱い方に関する完全なコードの書き直しを行いました。WordPress 2.0.x 系にこうした対処を移植することはとてつもない仕事であるとともに、不安定さや新たなバグを取り入れてしまう可能性があります。安定性と最新のセキュリティ強化をまとめることとの狭間で、私たちは難しい決断をしなければなりませんでした。加えて、わたしたちが予想していたよりも 2.0.x 系に留まっている人々もかなり少なくなっていました。WordPress の新しい機能と、プラグインによって提供される更なる機能(その多くは 旧バージョンには対応していません)に対する証ととらえています。

2010年まで 2.0.x 系をメンテナンスし続けられなかったことは残念ですが、その大きな理由は新バージョンの WordPress にセキュリティ改善のとても大きな余地があるからであり、2.0.x 系は無駄にはなりません。

テーマも GPL ライセンス

以下は、2009年7月2日に書かれた WordPress.org 公式ブログの記事、「Themes are GPL, too」を訳したものです。本文内のリンク先はすべて英語ページです。


もし WordPress がひとつの国家だったなら、その権利章典は GPL ライセンス になるでしょう。なぜなら、GPL は私たちの基本的な自由を保護してくれるからです。

WordPress.org をクリーンに保ち、WordPress のライセンスに完全に準拠していて法的に問題ないものだけを推進するよう、私たちはいつも最善を尽くしてきました。しかし、しばらくコミュニティにおいて、テーマにも(我々がいつも当然だと考えていたとおり) GPL が適用されるのかどうかという疑問がありました。

この点をはっきりさせるため、僕は世界的に秀でた GPL の専門であるソフトウェア・フリーダム・ロー・センターに連絡しました。彼らは WordPress のコードとコミュニティをじっくり見て、公式な法的意見を提供してくれました。一言でいうとこうです、「WordPress テーマの PHP コードは GPL でなければならないが、画像や CSS は GPL でもそうでなくてもよい」。

マットさんへ

ソフトウェア・フリーダム・ロー・センターに WordPress(PHP で書かれた GNU GPL v2 ライセンスの CMS)の派生物としてのテーマの状況を明確にするためにご連絡いただきました。

https://wordpress.org/wordpress-2.8-RC1.tar.gz にて提供された WordPress 2.8 リリース候補版1(RC1)について、詳しい調査を行いました。この リリース候補版に同梱されている “classic” および “default” テーマは、さまざまな PHP、CSS ファイル、そして任意に仕様できる画像ファイルのディレクトリを含んでいます。PHP ファイルには HTML マークアップと WordPress 関数への PHP コールがあわせて含まれています。PHP コードにはループや条件文などのロジックもいくつかあります。

WordPress は起動ののち、テーマが利用するための情報を用意する各種ルーチンを実行します。通常的な利用の場合、この後コントロールが PHP の include() 関数によってテーマパッケージファイル内の HTML・PHP テンプレートへ転送されます。これらのテンプレートファイルの PHP コードは、クライアントへ渡すテンプレートを埋めるためにはじめに用意された情報に依存しています。

このバージョンの WordPress に基づいて考え、またこれらのテーマがサードパーティによって WordPress に追加されたことを考慮すると、私たちは「提示されたテーマやそれに大部分が似ているテーマは、WordPress ソフトウェアの派生物とみなされる要素およびそうではない作品を含んでいる」という意見です。特に、CSS ファイルや “default” テーマの画像ディレクトリに含まれるものは、WordPress コードとは分離しているといえるでしょう。一方、WordPress のコードと混じり合って影響を受ける PHP や HTML コードは、WordPress の派生物といえます。

WordPress テーマにおいて、CSS ファイルと画像は Web サーバーから純粋なるデータとして提供されます。WordPress 自体はこれらのファイルを無視 [1] します。CSS や画像ファイルは純粋なデータとしてサーバーによって読み込まれ、 そのままユーザーに送信されており、WordPress インスタンスをまったく通過しません。CSS や画像は 容易に広範な HTML ドキュメントによって使用する事ができ、WordPress とまったく関係がないさまざまなソフトウェアが読み込んだり表示したりできます。このことから、これらのファイルは WordPress コードとは別の作品です。

PHP 要素をひとまとめにして考えると、これらは明確な WordPress の派生物です。テンプレートは include() 関数によって読み込まれます。コンテンツは PHP スパース配列 が処理するために、WordPress の他の部分とともに(また、完全に他と見分けのつかない形で)メモリ内の WordPress コードと組み合わされます。PHP コードは多くの WordPress 関数およびスパースへのコールと、アクセスする WordPress 関数 やその回数を指定する最小限のロジックとコントロールから成り立っています。これらは WordPress の派生物です。なぜなら、すべての部分が呼び出される WordPress 関数によって定義されているからです。PHP テンプレートは著作品としてWordPress と組み合わせ、さらに拡張するためだけに設計されています。

提示された2つのテーマでは、HTML 要素が PHP と混じり合っています。テーマを通じて PHPファイル に散りばめられたこれらの HTML スニペットは、PHP コードに非常に依存性の高い形態のデータを作成するため、その派生物といえます。

結論として、提示された WordPress テーマは WordPress の著作権の元にあるコードの派生物を含んでいます。それぞれ独自の作品である画像、CSS、PHP ファイルをまとめたこれらのテーマは、全体的を GPL ライセンスにする必要はありません。むしろ、PHP ファイルは GPL ライセンスの要件に制約されるが、画像や CSS はそうではないと言えます。サードパーティのテーマ開発者は、希望するなら制限付きの著作権を適用することができます。

最後に、WordPress の著作権に制限されない合法な WordPress テーマを作成することも可能ということを言っておきます。しかしそのようなテーマはこのソフトを有益なものにしている WordPress 関数をまったく使わないものである必要があります。

敬具
ジェームス・ヴァスリー
ソフトウェア・フリーダム・ロー・センター

[1] ひとつだけ例外があります。WordPress は管理画面のテンプレート選択機能でプレビューを作成する際に CSS および画像ファイルを使用しています。しかしこのケースでも、CSS・画像ファイルは WordPress 関数を呼び出すことはなく、PHP コマンドとして扱われたり、その他の WordPress データ構造を改変することはありません。これらのファイルはデータとして読み込まれ、画像を作成し、ミニチュア版の Web ページをユーザーに表示するだけです。

画像や CSS が GPL であることは法的には必須ではありませんが、これらがなければかなりテーマに制限ができてしまいます。CSS や JavaScript のまったくない WordPress を想像できますか?この理由により、WordPress.org では今まで通り 100% GPL ライセンスであるか、GPL に互換性のあるライセンスのものだけをホスティングします。100% GPL テーマを作成し、それに関わるサポートやサービスを提供している人たちをたたえるため、GPL 商用サポートテーマを紹介する新しいページを公開しました。

コミュニケーション改善の試み: イベントカレンダー、Twitter アカウント

当サイトのトップページに WordPress イベントカレンダーおよび @jawordpressorg Twitter アカウントへのリンクを追加しました。

WordPress イベントカレンダー

各地の WordBench 勉強会やオープンソース・PHP 関連のカンファレンス、セミナーなど、WordPress ユーザーの皆さんに興味を持っていただけるようなイベントを掲載していく公開カレンダーです(XMLiCal)。

追加・編集したいイベントがある場合は、お問い合わせフォームからご連絡ください。追加申請について詳しくは、イベントカレンダーのページをご覧ください。

Twitter アカウント

WordPress に関するお知らせなどをつぶやいています。当ブログの更新情報も流していますので、ぜひフォローしてください。

その他の改善の試み

これらは、先日ブログやフォーラムで意見を募った、日本語圏コミュニティでの情報伝達やコミュニケーションの改善を図るための試みの一部です。その際にいただいた声をもとに、他にも以下のようなサイトや配付パッケージの改善を行いました。

  • サイト管理者へのお問い合わせフォームを設置(注: 使い方やサポート関連の質問用ではありません
  • サイトのトップナビゲーションメニューからフォーラム・ドキュメンテーションへのリンクを追加
  • 「このサイトについて」ページにプロジェクトへ協力するための情報リンクを掲載
  • WordPress 日本語版パッケージの readme ファイルに日本語ドキュメンテーションへのリンクを追加

今後も WordPress およびコミュニティへのご意見、ご協力をよろしくお願いします。