NFL
ナショナル・フットボール・リーグ National Football League | |
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今シーズン・大会: 2020年のNFL | |
競技 | アメリカンフットボール |
創立 | 1920年8月20日 |
コミッショナー | ロジャー・グッデル |
開始年 | 1920年 |
参加チーム | 32 |
国 | アメリカ合衆国 |
本部所在地 | ニューヨーク州ニューヨーク |
前回優勝 | タンパベイ・バッカニアーズ(2020年) |
最多優勝 | グリーンベイ・パッカーズ(13回) |
テレビ局 | CBS Fox NBC ESPN NFLネットワーク |
国内カップ戦 | スーパーボウル |
公式サイト | NFL.com |
ナショナル・フットボール・リーグ(英語: National Football League、略称:NFL)は、アメリカ合衆国で最上位に位置するプロアメリカンフットボールリーグである。
概説[編集]
1920年にアメリカン・プロフェッショナル・フットボール・アソシエーション(英語: American Professional Football Association, APFA)として4チームにより発足し、2年後の1922年に現在の名称であるナショナル・フットボール・リーグ(以下、NFL)に改名した。
過去、NFLに対抗したプロフットボールのリーグがいくつか創設されたが、その対抗リーグよりNFLに編入されたチームがいくつか存在する。その中でも、1960年から1969年に存在したアメリカン・フットボール・リーグ(AFL)はNFLの最大のライバルとなり、1970年に両リーグがほぼ対等合併の形でリーグ統合を行い、現在の形のNFLが誕生した。
現在のNFLは32チームにより編成されており、アメリカン・フットボール・カンファレンスとナショナル・フットボール・カンファレンスの二つのカンファレンスに16チームずつが所属している。さらに各カンファレンスには東、北、南、西の4つの地区があり、各地区に4チームずつが所属している。試合形式は9月から12月もしくは1月にかけて行われるレギュラーシーズンで各チームが17試合を戦い、各カンファレンスの上位7チームが1月に行われるプレーオフに進出し、一発勝負のトーナメント方式でカンファレンス優勝を争う。各カンファレンスで優勝したチームは、2月上旬に行われるリーグ優勝決定戦のスーパーボウルに出場し、その試合の勝利チームがNFLの年間王者となる。また、オールスターゲームであるプロボウルはスーパーボウルの前週に開催される。
NFLは北米4大プロスポーツリーグの中で最も人気が高く[1]、レギュラーシーズンの1試合平均観客動員数は6万7000人を超えている[2]。特にスーパーボウルは同国最大のスポーツイベントであり、毎年テレビ番組で年間最高視聴率を記録するなど、圧倒的な注目を集めている。また2019年シーズンの収益は約160億ドルであり[3]、メジャーリーグベースボールなどを大きく引き離し、経済的に世界最大のプロスポーツリーグである。その証左に、アメリカの経済誌フォーブスによる2021年のスポーツ選手長者番付において、競技別でアメリカンフットボール選手が最も多くランクインしている[4]。また最も価値があるスポーツチーム50選のランキングにて、毎年最も多くのチームがランクインしており、2021年にはダラス・カウボーイズが首位である[5]。レベニュー・シェアリングという収入平準化制度に代表されるように、各チームの戦力や資金力の均等化を追求することによってリーグの活性化を図っていることでも知られる。
加盟チーム[編集]
地区編成[編集]
全米各地の32チームから成り、アメリカン・フットボール・カンファレンス (American Football Conference; AFC)と、ナショナル・フットボール・カンファレンス (National Football Conference; NFC) の2つのカンファレンスに16チームずつが所属している。カンファレンスはさらに東、北、南、西の4つの地区(ディビジョン)に別れ、4チームずつが所属している。
1970年にAFLとNFLが統合したことによりAFC東中西、NFC東中西の6地区が成立し、2002年に現行の2カンファレンス各4地区制に移行した。
チーム一覧[編集]
シーズン[編集]
プレシーズン[編集]
プレシーズンは8月に通常各チームが3試合を戦う[6]。ホール・オブ・フェイム・ゲームが伝統的にプレシーズンの最初に行われる試合である。プレシーズンゲームは公式戦ではないため、主力選手は調整のために出場を控えることも多い。それにもかかわらず好カードは主要ネットワークによって全米中継されており、MLBのリーグ優勝決定戦シリーズの全米視聴率を上回る試合もある。
レギュラーシーズン[編集]
フォーマット[編集]
レギュラーシーズンは9月第1週〜からの18週であり、その間に各チームが17試合を戦う(全272試合)。各チームには第4週から第12週の間に「バイ・ウィーク」としてシーズン中に1週の休みが設けられている。2021年シーズンから試合数が16から17に増加した[6]。
17試合の内訳について、現在のフォーマットは以下のとおり。
- 同カンファレンスの同地区の3チームと総当たりで2試合ずつ(計6試合)。
- ホーム・アンド・アウェー形式による。
- 同カンファレンスの別地区の4チームと総当たりで1試合ずつ(計4試合)。
- 対戦する地区は1シーズンごとにローテーションする。3シーズンで1周期(ホーム・アンド・アウェーの観点では6シーズンで1周期)。
- 別カンファレンスの1地区の4チームと総当たりで1試合ずつ(計4試合)。
- 対戦する地区は1シーズンごとにローテーションする。4シーズンで1周期(ホーム・アンド・アウェーの観点では8シーズンで1周期)。
- 同カンファレンス内で対戦のない2地区における、前シーズンの地区順位が同じチームと1試合ずつ(計2試合)。
- 2シーズン前に総当りで対戦した別カンファレンスの1地区で、前シーズンの地区順位が同じチームと1試合(計1試合)。4シーズンで1周期(ホーム・アンド・アウェーの観点では8シーズンで1周期)。奇数年シーズンはAFCがホームとなり、偶数年シーズンはNFCがホームとなる。
レギュラーシーズンのホームゲームが9試合の場合はプレシーズンのホームゲームが1試合となり、レギュラーシーズンのホームゲームが8試合の場合はプレシーズンのホームゲームが2試合となる。同地区内の4チームは、17試合のうち12試合で共通の相手と対戦し、2試合が直接対決となる仕組みとなっている。
2021年シーズンの対戦相手
AFC | NFC | |||||||
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西地区 | 南地区 | 北地区 | 東地区 | 西地区 | 南地区 | 北地区 | 東地区 | |
1位 | チーフス | タイタンズ | スティーラーズ | ビルズ | シーホークス | セインツ | パッカーズ | ワシントン |
2位 | レイダース | コルツ | レイブンズ | ドルフィンズ | ラムズ | バッカニアーズ | ベアーズ | ジャイアンツ |
3位 | チャージャーズ | テキサンズ | ブラウンズ | ペイトリオッツ | カージナルス | パンサーズ | バイキングス | カウボーイズ |
4位 | ブロンコス | ジャガーズ | ベンガルズ | ジェッツ | 49ers | ファルコンズ | ライオンズ | イーグルス |
2021年シーズンの地区ごとの対戦相手 | ||||||||
総当り | AFC北地区 NFC東地区 |
AFC東地区 NFC西地区 |
AFC西地区 NFC北地区 |
AFC南地区 NFC南地区 |
NFC北地区 AFC南地区 |
NFC東地区 AFC東地区 |
NFC西地区 AFC北地区 |
NFC南地区 AFC西地区 |
同順位 | NFC北地区 | NFC南地区 | NFC西地区 | NFC東地区 | AFC北地区 | AFC南地区 | AFC西地区 | AFC東地区 |
開催日[編集]
試合はアメリカ東部時間の木曜、土曜、日曜および月曜日の午後に開催される。開催日についてはテレビ放送の拡充に伴って変遷がある(テレビ放映権#経緯の項も参照)。
- 木曜日
- 第1週にはキックオフゲームとして前年度のチャンピオンチームの試合が開催される。
- サンクスギビング・デー(11月第4木曜)には3試合が行われる。長年の慣習としてダラス・カウボーイズとデトロイト・ライオンズのホームゲームが行われているが、2006年シーズン以降はこの2チーム以外のホームゲーム1試合が追加された。
- サンクスギビング・デーを除く第2週から第16週までは、サーズデーナイトフットボール (TNF) としてナイトゲーム1試合が開催される。TNFには、アメリカ時間日曜朝に海外で行われるゲーム、および(サーズデーではない)クリスマス当日のゲームが含まれる。2017年シーズンは第16週の木曜開催は設定されておらず、クリスマスである次の月曜日にTNFが開催される。
- 土曜日
- カレッジフットボール(毎週土曜に試合が開催される)がシーズンオフに差し掛かる12月以降には土曜開催が設定されることがある。
- 開催頻度はシーズン毎に一定しておらず、2013年シーズンのように開催がないこともある。2019年シーズンは第16週に3試合が開催される。
- 日曜日
- 最も多くの試合が日曜にデーゲームで開催される。
- プライムタイムにはサンデーナイトフットボール (SNF)としてナイトゲーム1試合が開催される。
- 月曜日
- 第1週から第16週までマンデーナイトフットボール (MNF) としてナイトゲーム1試合が開催される。ただし、第1週のみ2試合が開催される。
- 何らかの理由で日曜以前の試合が開催不能になった場合、代替で月曜日に開催されることがある。
- 第17週はMNFの放映権が地上波のABCからスポーツ専門局のESPNに移行した2006年シーズン以降、開催されていない。
スケジュール[編集]
対戦スケジュールは、例年4月中旬に発表される(なお、現在のシステムでは対戦カード自体は機械的に決まるため、前年度のレギュラーシーズン終了までに確定する)。
- 前シーズンに好成績だったチーム(プレーオフ出場チーム)は、3試合程度、ナイトゲーム(曜日は問わず)が設定されるのが通例。
- ナイトゲームは、全米中継され、注目カードを設定する傾向がある。
- ただし、シーズン終盤のサンデーナイトフットボールは、日曜午後の試合と差し替えが可能となっており、特に最終節については対戦カードを予め決めず、直前になって決定する(NBCサンデーナイトフットボール#フレキシブル・スケジューリングの項参照)。
- 近年、前シーズン好調だったチームの成績が振るわないことが多く、シーズン終盤に注目対象になり得ない対戦が増えたため、放送局に配慮した措置。
- 2010年シーズンより、最終週の全ての試合を同地区対決とするなどシーズン終盤に多くの同地区対決試合を編成するようにしている[7]。
- 2007年シーズン以降「NFLインターナショナルシリーズ」としてイギリスのロンドン(ウェンブリー・スタジアム)で試合を行っている。2013年から2019年にかけてはそれぞれ2,3,3,3,4,3,4試合ずつと複数ゲームが行われ、ジャクソンビル・ジャガーズは毎年ホームチームとして試合を続けている。
ポストシーズン[編集]
レギュラーシーズンの成績によって選出された AFC・NFC両カンファレンスの地区優勝4チームとそれ以外の成績上位3チーム(ワイルドカード)の計7チームずつ(両カンファレンスあわせて14チーム)によってプレーオフが行われる。
プレーオフはノックアウト トーナメントで行われ、スーパーボウルを含む13試合は「ポストシーズンゲーム」と呼ばれる。なお、2019年シーズンまでは各コンファレンスから6チームずつがプレーオフに進出していた。
トーナメントフォーマット[編集]
2020年シーズン以降は以下のフォーマットとなる。
- 基本的なトーナメント表(そのラウンドに登場したシード最上位チームが最下位チームとホームで戦うルールとなっている)
ワイルドカード・プレーオフ | ディビジョナル・プレーオフ | |||||||||||||||||
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AFCシード6位 | ||||||||||||||||||
AFCシード3位 | ||||||||||||||||||
当ラウンドAFC3位 | ||||||||||||||||||
当ラウンドAFC2位 | ||||||||||||||||||
AFCシード7位 | AFC | |||||||||||||||||
AFCシード2位 | ||||||||||||||||||
AFCチャンピオンシップ | ||||||||||||||||||
AFCシード5位 | ||||||||||||||||||
当ラウンドAFC4位 | ||||||||||||||||||
AFCシード4位 | ||||||||||||||||||
AFCシード1位 | ||||||||||||||||||
NFCシード6位 | スーパーボウル | |||||||||||||||||
NFCシード3位 | ||||||||||||||||||
当ラウンドNFC3位 | ||||||||||||||||||
当ラウンドNFC2位 | ||||||||||||||||||
NFCシード7位 | NFC | |||||||||||||||||
NFCシード2位 | ||||||||||||||||||
NFCチャンピオンシップ | ||||||||||||||||||
NFCシード5位 | ||||||||||||||||||
当ラウンドNFC4位 | ||||||||||||||||||
NFCシード4位 | ||||||||||||||||||
NFCシード1位 | ||||||||||||||||||
各カンファレンスのプレーオフ進出7チームは、レギュラーシーズンの成績に応じてシード順位が決められる。まず、地区優勝4チームの成績を比較し、良い方からシード1位〜4位となる。次にカンファレンス内の地区優勝4チームを除いた12チームの成績を比較し、上位3チームがシード5位と6位と7位のワイルドカードとなる[8]。
- トーナメント1回戦(ワイルドカード プレーオフ)
- シード2位とシード7位が対戦。
- シード3位とシード6位が対戦。
- シード4位とシード5位が対戦。
- シード1位は2回戦からの参加となる。
- トーナメント2回戦(ディビジョナル プレーオフ)
- シード1位と「ワイルドカード プレーオフの勝者の中でシード下位のチーム(シード4位/5位/6位/7位 のどれか)」が対戦。
- 残りの「ワイルドカード プレーオフの勝者の2チームが対戦。
- 組み合わせがワイルドカードプレーオフの結果で決まるため、あらかじめ固定的なトーナメント表を描くことはできない(ワイルドカードプレーオフ、シード2位対7位で、7位が勝てば1位と、2位が勝てばそれ以外のチームとの対戦になる)。
- トーナメント3回戦(カンファレンス チャンピオンシップ)
- ディビジョナル プレーオフの勝者同士が、それぞれAFCチャンピオンシップ・NFCチャンピオンシップで対戦。
スーパーボウルを除くプレーオフの試合は、シード上位のチームのフランチャイズ(ホームスタジアム)での一発勝負である(MLB・NBA・NHLのプレーオフで採用されている番勝負ではない)。プレーオフでのホームチームの勝率は60%を越えている。シード1位チームは、スーパーボウルを除くプレーオフ全試合をホームで行うことが確定していることになる。
下位チームはレギュラーシーズン終了後のオフが短く、プレーオフを1試合多く行い、さらに続く試合もビジターとなるために勝ち進むことは難しい。6チームがプレーオフに進出した2002年シーズンから2019年シーズンまでにスーパーボウルに出場したのべ36チームのうち、シード5-6位(ワイルドカード)は3チーム、シード3-4位は5チームにすぎなかった。
最新のプレーオフトーナメント
ワイルドカード・プレーオフ | ディビジョナル・プレーオフ | |||||||||||||||||
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2021年1月10日 ニッサン・スタジアム |
1月16日 ビルズ・スタジアム |
1月24日 アローヘッド・スタジアム |
2月7日 レイモンド・ジェームス・スタジアム | |||||||||||||||
5 | レイブンズ | 20 | ||||||||||||||||
4 | タイタンズ | 13 | ||||||||||||||||
2021年1月9日 ビルズ・スタジアム |
5 | レイブンズ | 3 | |||||||||||||||
2 | ビルズ | 17 | ||||||||||||||||
7 | コルツ | 24 | AFC | |||||||||||||||
2 | ビルズ | 27 | 1月17日 アローヘッド・スタジアム | |||||||||||||||
2021年1月10日 ハインツ・フィールド |
2 | ビルズ | 24 | |||||||||||||||
1 | チーフス | 38 | ||||||||||||||||
AFCチャンピオンシップ | ||||||||||||||||||
1月24日 ランボー・フィールド | ||||||||||||||||||
6 | ブラウンズ | 48 | ||||||||||||||||
6 | ブラウンズ | 17 | ||||||||||||||||
3 | スティーラーズ | 37 | ||||||||||||||||
1 | チーフス | 22 | ||||||||||||||||
2021年1月9日 フェデックスフィールド | ||||||||||||||||||
1月17日 メルセデス・ベンツ・スーパードーム | ||||||||||||||||||
A1 | チーフス | 9 | ||||||||||||||||
N5 | バッカニアーズ | 31 | ||||||||||||||||
5 | バッカニアーズ | 31 | 第55回スーパーボウル | |||||||||||||||
4 | ワシントン | 23 | ||||||||||||||||
2021年1月10日 メルセデス・ベンツ・スーパードーム |
5 | バッカニアーズ | 30 | |||||||||||||||
2 | セインツ | 20 | ||||||||||||||||
7 | ベアーズ | 9 | NFC | |||||||||||||||
2 | セインツ | 21 | 1月16日 ランボー・フィールド | |||||||||||||||
2021年1月9日 ルーメン・フィールド |
5 | バッカニアーズ | 31 | |||||||||||||||
1 | パッカーズ | 26 | ||||||||||||||||
NFCチャンピオンシップ | ||||||||||||||||||
6 | ラムズ | 30 | ||||||||||||||||
6 | ラムズ | 18 | ||||||||||||||||
3 | シーホークス | 20 | ||||||||||||||||
1 | パッカーズ | 32 | ||||||||||||||||
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プロボウル[編集]
カンファレンス チャンピオンシップ ゲーム と スーパーボウルとは2週空けており、中間の週の日曜に「プロボウル」と呼ばれるオールスターゲームが開催される。
2008年シーズン(試合開催は翌2009年)までの30年近く、プロボウルは、スーパーボウルの翌週に、ハワイ州ホノルルのアロハ・スタジアムで開催されていた。
2009年シーズンより、スーパーボウル前週に開催することとなり、スーパーボウル出場選手は除外され、また開催地はハワイに固定されなくなっている。
怪我を避けるために怠慢なプレーがしだいに多くみられるようになり、2013年シーズンからの3年間は往年の名選手がキャプテンとなり選手をドラフトする方式が試みられた。また、怪我の危険を減らすためにプロボウルだけの特殊ルールが適用されている。
スーパーボウル[編集]
両カンファレンスの優勝チーム同士がスーパーボウルで対戦し、全米王者が決定する。スーパーボウルは毎年2月の第1日曜日に行われる。 この試合は全米はもとより世界各地で中継放送され、アメリカンフットボールのシーズンを締めくくるにふさわしい一大祭典といわれ、全米視聴率は毎年年間最高である。
年度 | AFC | 回 | NFC | ||||||||||||
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ワイルドカード敗退 | ディビジョナル敗退 | CC敗退 | SB出場 | SB出場 | CC敗退 | ディビジョナル敗退 | ワイルドカード敗退 | ||||||||
2020 | IND(7) | TEN(4) | PIT(3) | CLE(6) | BAL(5) | BUF(2) | KC (1) | 55 | TB (5) | GB (1) | NO (2) | LAR(6) | SEA(3) | WAS(4) | CHI(7) |
2019 | ―― | BUF(5) | NE (3) | HOU(4) | BAL(1) | TEN(6) | KC (2) | 54 | SF (1) | GB (2) | SEA(5) | MIN(6) | NO (3) | PHI(4) | ―― |
2018 | ―― | BAL(4) | HOU(3) | IND(6) | LAC(5) | KC (1) | NE (2) | 53 | LAR(2) | NO (1) | PHI(6) | DAL(4) | CHI(3) | SEA(5) | ―― |
2017 | ―― | BUF(6) | KC (4) | TEN(5) | PIT(2) | JAX(3) | NE (1) | 52 | PHI(1) | MIN(2) | NO (4) | ATL(6) | LAR(3) | CAR(5) | ―― |
2016 | ―― | MIA(6) | OAK(5) | HOU(4) | KC (2) | PIT(3) | NE (1) | 51 | ATL(2) | GB (4) | DAL(1) | SEA(3) | NYG(5) | DET(6) | ―― |
2015 | ―― | HOU(4) | CIN(3) | PIT(6) | KC (5) | NE (2) | DEN(1) | 50 | CAR(1) | ARI(2) | GB (5) | SEA(6) | MIN(3) | WAS(4) | ―― |
2014 | ―― | CIN(5) | PIT(3) | BAL(6) | DEN(2) | IND(4) | NE (1) | 49 | SEA(1) | GB (2) | DAL(3) | CAR(4) | ARI(5) | DET(6) | ―― |
2013 | ―― | KC (5) | CIN(3) | SD (6) | IND(4) | NE (2) | DEN(1) | 48 | SEA(1) | SF (5) | CAR(2) | NO (6) | PHI(3) | GB (4) | ―― |
2012 | ―― | CIN(6) | IND(5) | HOU(3) | DEN(1) | NE (2) | BAL(4) | 47 | SF (2) | ATL(1) | GB (3) | SEA(5) | WAS(4) | MIN(6) | ―― |
2011 | ―― | CIN(6) | PIT(5) | DEN(4) | HOU(3) | BAL(2) | NE (1) | 46 | NYG(4) | SF (2) | GB (1) | NO (3) | ATL(5) | DET(6) | ―― |
2010 | ―― | KC (4) | IND(3) | BAL(5) | NE (1) | NYJ(6) | PIT(2) | 45 | GB (6) | CHI(2) | ATL(1) | SEA(4) | PHI(3) | NO(5) | ―― |
2009 | ―― | CIN(4) | NE (3) | BAL(6) | SD (2) | NYJ(5) | IND(1) | 44 | NO (1) | MIN(2) | DAL(3) | ARI(4) | GB (5) | PHI(6) | ―― |
2008 | ―― | IND(5) | MIA(3) | SD (4) | TEN(1) | BAL(6) | PIT(2) | 43 | ARI(4) | PHI(6) | NYG(1) | CAR(2) | MIN(3) | ATL(5) | ―― |
2007 | ―― | TEN(6) | PIT(4) | JAX(5) | IND(2) | SD (3) | NE (1) | 42 | NYG(5) | GB (2) | DAL(1) | SEA(3) | TB (4) | WAS(6) | ―― |
2006 | ―― | KC (6) | NYJ(5) | BAL(2) | SD (1) | NE (4) | IND(3) | 41 | CHI(1) | NO (2) | PHI(3) | SEA(4) | DAL(5) | NYG(6) | ―― |
2005 | ―― | JAX(5) | CIN(3) | NE (4) | DEN(2) | IND(1) | PIT(6) | 40 | SEA(1) | CAR(5) | CHI(2) | WAS(6) | TB (3) | NYG(4) | ―― |
2004 | ―― | DEN(6) | SD (4) | NYJ(5) | IND(3) | PIT(1) | NE (2) | 39 | PHI(1) | ATL(2) | StL(5) | MIN(6) | GB (3) | SEA(4) | ―― |
2003 | ―― | DEN(6) | BAL(4) | TEN(5) | KC (2) | IND(3) | NE (1) | 38 | CAR(3) | PHI(1) | StL(2) | GB (4) | SEA(5) | DAL(6) | ―― |
2002 | ―― | CLE(6) | IND(5) | NYJ(4) | PIT(3) | TEN(2) | OAK(1) | 37 | TB (2) | PHI(1) | SF (4) | ATL(6) | GB (3) | NYG(5) | ―― |
2001 | ―― | NYJ(6) | MIA(4) | BAL(5) | OAK(3) | PIT(1) | NE (2) | 36 | StL(1) | PHI(3) | CHI(2) | GB (4) | SF (5) | TB (6) | ―― |
2000 | ―― | IND(6) | DEN(5) | MIA(3) | TEN(1) | OAK(2) | BAL(4) | 35 | NYG(1) | MIN(2) | NO (3) | PHI(4) | TB (5) | StL(6) | ―― |
1999 | ―― | BUF(5) | SEA(3) | MIA(6) | IND(2) | JAX(1) | TEN(4) | 34 | StL(1) | TB (2) | WAS(3) | MIN(4) | DAL(5) | DET(6) | ―― |
1998 | ―― | NE (6) | BUF(5) | MIA(4) | JAX(3) | NYJ(2) | DEN(1) | 33 | ATL(2) | MIN(1) | SF (4) | ARI(6) | DAL(3) | GB (5) | ―― |
1997 | ―― | MIA(6) | JAX(5) | NE (3) | KC (1) | PIT(2) | DEN(4) | 32 | GB (2) | SF (1) | TB (4) | MIN(6) | NYG(3) | DET(5) | ―― |
1996 | ―― | IND(6) | BUF(4) | PIT(3) | DEN(1) | JAX(5) | NE (2) | 31 | GB (1) | CAR(2) | DAL(3) | SF (4) | PHI(5) | MIN(6) | ―― |
1995 | ―― | MIA(6) | SD (4) | BUF(3) | KC (1) | IND(5) | PIT(2) | 30 | DAL(1) | GB (3) | SF (2) | PHI(4) | DET(5) | ATL(6) | ―― |
1994 | ―― | KC (6) | NE (5) | CLE(4) | MIA(3) | PIT(1) | SD (2) | 29 | SF (1) | DAL(2) | GB (4) | CHI(6) | MIN(3) | DET(5) | ―― |
1993 | ―― | PIT(6) | DEN(5) | RAI(4) | HOU(2) | KC (3) | BUF(1) | 28 | DAL(1) | SF (2) | NYG(4) | GB (6) | DET(3) | MIN(5) | ―― |
1992 | ―― | KC (6) | HOU(5) | SD (3) | PIT(1) | MIA(2) | BUF(4) | 27 | DAL(2) | SF (1) | PHI(5) | WAS(6) | MIN(3) | NO (4) | ―― |
1991 | ―― | NYJ(6) | RAI(5) | KC (4) | HOU(3) | DEN(2) | BUF(1) | 26 | WAS(1) | DET(2) | DAL(5) | ATL(6) | NO (3) | CHI(4) | ―― |
1990 | ―― | HOU(6) | KC (5) | MIA(4) | CIN(3) | RAI(2) | BUF(1) | 25 | NYG(2) | SF (1) | CHI(4) | WAS(5) | PHI(4) | NO (6) | ―― |
1989 | ―― | HOU(4) | PIT(5) | BUF(3) | CLE(2) | DEN(1) | 24 | SF(1) | RAM(5) | NYG(2) | MIN(3) | PHI(4) | ―― | ||
1988 | ―― | CLE(4) | HOU(5) | SEA(3) | BUF(2) | CIN(1) | 23 | SF(2) | CHI(1) | PHI(3) | MIN(4) | RAM(5) | ―― | ||
1987 | ―― | SEA(5) | HOU(4) | IND(3) | CLE(2) | DEN(1) | 22 | WAS(3) | MIN(5) | SF(1) | CHI(2) | NO(4) | ―― | ||
1986 | ―― | KC(5) | NYJ(4) | NE(3) | CLE(1) | DEN(2) | 21 | NYG(1) | WAS(4) | CHI(2) | SF(3) | RAM(5) | ―― | ||
1985 | ―― | NYJ(4) | CLE(3) | RAI(1) | MIA(2) | NE(5) | 20 | CHI(1) | RAM(2) | DAL(3) | NYG(4) | SF(5) | ―― | ||
1984 | ―― | RAI(5) | SEA(4) | DEN(2) | PIT(3) | MIA(1) | 19 | SF(1) | CHI(3) | WAS(2) | NYG(5) | RAM(4) | ―― | ||
1983 | ―― | DEN(5) | PIT(3) | MIA(2) | SEA(4) | RAI(1) | 18 | WAS(1) | SF(2) | DET(3) | RAM(5) | DAL(4) | ―― | ||
年度 | 1回戦敗退 | 2回戦敗退 | CC敗退 | SB出場 | 回 | SB出場 | CC敗退 | 2回戦敗退 | 1回戦敗退 | ||||||
1982 | ―― | PIT(4) | CIN(3) | SD(5) | RAI(1) | NYJ(6) | MIA(2) | 17 | WAS(1) | DAL(2) | GB(3) | MIN(4) | ATL(5) | StL(6) | ―― |
―― | CLE(8) | NE(7) | ―― | ―― | TB(7) | DET(8) | ―― | ||||||||
年度 | WC敗退 | DP敗退 | CC敗退 | SB出場 | 回 | SB出場 | CC敗退 | DP敗退 | WC敗退 | ||||||
1981 | ―― | NYJ(4) | BUF(5) | MIA(2) | SD(3) | CIN(1) | 16 | SF(1) | DAL(2) | TB(3) | NYG(5) | PHI(4) | ―― | ||
1980 | ―― | HOU(5) | BUF(3) | CLE(2) | SD(1) | OAK(4) | 15 | PHI(2) | DAL(4) | ATL(1) | MIN(3) | LA(5) | ―― | ||
1979 | ―― | DEN(5) | MIA(3) | SD(1) | HOU(4) | PIT(2) | 14 | LA(3) | TB(2) | DAL(1) | PHI(4) | CHI(5) | ―― | ||
1978 | ―― | MIA(4) | DEN(3) | NE(2) | HOU(5) | PIT(1) | 13 | DAL(2) | LA(1) | MIN(3) | ATL(4) | PHI(5) | ―― | ||
1977 | ―― | PIT(3) | BAL(2) | OAK(4) | DEN(1) | 12 | DAL(1) | MIN(3) | LA(2) | CHI(4) | ―― | ||||
1976 | ―― | NE(4) | BAL(2) | PIT(3) | OAK(1) | 11 | MIN(1) | LA(3) | DAL(2) | WAS(4) | ―― | ||||
1975 | ―― | CIN(4) | BAL(3) | OAK(2) | PIT(1) | 10 | DAL(4) | LA(2) | MIN(1) | StL(3) | ―― | ||||
1974 | ―― | BUF | MIA | OAK | PIT | 9 | MIN | LA | WAS | StL | ―― | ||||
1973 | ―― | PIT | CIN | OAK | MIA | 8 | MIN | DAL | LA | WAS | ―― | ||||
1972 | ―― | OAK | CLE | PIT | MIA | 7 | WAS | DAL | SF | GB | ―― | ||||
1971 | ―― | CLE | KC | BAL | MIA | 6 | DAL | SF | MIN | WAS | ―― | ||||
1970 | ―― | MIA | CIN | OAK | BAL | 5 | DAL | SF | MIN | DET | ―― | ||||
年度 | AFL | 回 | NFL | ||||||||||||
1969 | ―― | HOU | NYJ | OAK | KC | 4 | MIN | CLE | LA | DAL | ―― | ||||
1968 | ―― | OAK | NYJ | 3 | BAL | CLE | MIN | DAL | ―― | ||||||
1967 | ―― | HOU | OAK | 2 | GB | DAL | LA | CLE | ―― | ||||||
1966 | ―― | BUF | KC | 1 | GB | DAL | ―― |
- SB:スーパーボウル、CC:カンファレンス決勝、DP:ディビジョナルプレイオフ、WC:ワイルドカードプレイオフ
- 1982-83シーズンについてはストライキの影響で8チームによるトーナメント
- 括弧内はシード順(シード制導入前は表記なし)
- スーパーボウル回の色はいずれのカンファレンスのチームが勝利したかを示す
タイブレーク[編集]
レギュラーシーズン終了後、プレーオフ進出チームおよびそのシード順、次シーズンの対戦フォーマット、およびドラフトの指名順決定のために、順位を確定する。
順位は勝率をもとに決定するが、レギュラーシーズンが17試合しかないため、同じ勝率となるチームが複数存在する。
同じ勝率のチーム同士の順位を確定させる手続きを「タイブレーク」と呼ぶ。
なお、勝率の計算では引き分けを0.5勝0.5敗として計算する。
下記の基準でも決定できない場合にはコイントスを行う。
地区内順位決定のためのタイブレーク[編集]
- 直接対決の試合(計2試合)の勝率
- 同地区チームと対戦した試合(計6試合)での勝率
- 共通のチームと対戦した試合(計12試合)での勝率
- 同じカンファレンスのチームと対戦した試合(計12試合)での勝率
- 勝利した試合の対戦相手の合計勝率
- レギュラーシーズンの対戦相手の合計勝率
- 同じカンファレンス内での総得点順位と総失点順位の和
- リーグ内での総得点順位と総失点順位の和
- 共通のチームと対戦した試合(計12試合)での総得失点差
- レギュラーシーズンでの総得失点差
- レギュラーシーズンでの総得失TD差
以上の手順で確認し、2チームが同順位のまま残った場合、その2チームだけでもう一度最初からやり直す。
カンファレンス内順位決定のためのタイブレーク[編集]
- 地区内順位を決定する
- 地区内上位扱いのチーム同士で順位を決定する(決定方法は、後述)
- 上位扱いとするチームが決定したら、そのチームと同地区の次位のチームを繰り上げて、残ったチームと比較する。
たとえば、3チームA、B、Cが同じ成績で、チームAとチームBが地区X、チームCが地区Yに所属する場合:
- まず、同地区のチームA、Bの間で順位を決める。仮にチームBが上位とする。
- 上位扱いのチームBとチームCで順位を決定する。
- もし、チームCがチームBより上位と判断すれば、チームBはチームAより上位なので、3チーム全体として上位からC、B、Aの順。
- もし、チームBがチームCより上位と判断すれば、チームBと同地区のチームAが繰り上がり、チームCとチームAであらためて判断する。
- チームCがチームAより上位と判断すれば、3チーム全体として上位からB、C、Aの順。
- チームAがチームCより上位と判断すれば、3チーム全体として上位からB、A、Cの順。
2チーム間のタイブレーク[編集]
- 直接対決があれば、その試合の勝率
- 同じカンファレンスのチームと対戦した試合での勝率
- 共通のチームと対戦した試合での勝率(3試合以下の場合、適用しない)
- 勝利した試合の対戦相手の合計勝率
- レギュラーシーズンの対戦相手の合計勝率
- 同じカンファレンス内での総得点順位と総失点順位の和
- リーグ内での総得点順位と総失点順位の和
- 同じカンファレンス内での総得失点差
- レギュラーシーズンでの総得失点差
- レギュラーシーズンでの総得失TD差
3チーム以上のタイブレーク[編集]
以下の手順で確認し、2チームが同順位のまま残った場合、その2チームだけで「2チーム間のタイブレーク」の手順を最初からやり直す。
- 直接対決の試合の勝率(1チームが他のチームにすべて勝利しているか、すべて敗戦している場合のみ適用)
- 同じカンファレンスのチームと対戦した試合での勝率
- 共通のチームと対戦した試合での勝率(3試合以下の場合、適用しない)
- 勝利した試合の対戦相手の合計勝率
- レギュラーシーズンの対戦相手の合計勝率
- 同じカンファレンス内での総得点順位と総失点順位の和
- リーグ内での総得点順位と総失点順位の和
- 同じカンファレンス内での総得失点差
- レギュラーシーズンでの総得失点差
- レギュラーシーズンでの総得失TD差
プレーオフ進出チーム内の順位[編集]
- 地区優勝チームが上位
- 地区優勝チーム同士で「カンファレンス内順位決定のためのタイブレーク」で順位を判定
- ワイルドカードチーム同士で、同地区のチームが存在する場合「地区内順位決定のためのタイブレーク」で順位を決定し、その上で「カンファレンス内順位決定のためのタイブレーク」で順位を決定。
ドラフトの指名順位[編集]
ドラフトにおける指名順位は以下の条件により決定される[9]。
- プレーオフに出場しなかったチーム :1〜18位
- ワイルドカード プレーオフで敗退したチーム :19〜24位
- ディビジョナル プレーオフで敗退したチーム :25〜28位
- カンファレンス チャンピオンシップで敗退したチーム :29〜30位
- スーパーボウル敗退チーム :31位
- スーパーボウル勝利チーム :32位
各枠内での順位は以下の基準によって決められる(成績決定時とは逆順)。
- レギュラーシーズンの勝率
- レギュラーシーズンの対戦相手の合計勝率
- 同一ディビジョンのチームの場合、ディビジョン内での順位
- 同一カンファレンスのチームの場合、カンファレンス内での順位
- 別カンファレンスのチームの場合、あるいは上記の基準でも順位が決められない場合
- 直接対決の結果
- 共通対戦相手の合計勝率
- 勝った相手の合計勝率
- 全試合での総得点順位と総失点順位の和
- 総得失点差
- 総得失TD差
- コイントス
同じ勝率の場合、同一セグメントに含まれるとして順位を設定する。 同一セグメント内の順位は、1巡目で最上位だったチームを2巡目で同セグメント内の最下位に移動し、他のチームを1つずつ繰り上げる。3巡目以降も同様。
実際のドラフトでは、ドラフト指名順位権が選手トレードの条件の一部となって譲渡され、あるいはフリー・エージェントの補償として譲渡されるために、指名順位は上の規定から大幅に変更される。
試合運営[編集]
概要[編集]
基本的なルールは、NCAAや日本で行われるそれと同じである。
- 15分4クオーター(全体の競技時間60分)で行う。
- 第4クオーター終了して、より得点の多いチームが勝利する。
- 各チームには、前後半それぞれにタイムアウトが3回ずつ与えられる。
ただし、細かい点で、興業面やテレビ中継、選手の怪我防止を意識したルールの差異がある。
主な違いは、アメリカンフットボール・NFLとNCAAのルールの差異を参照。
プレー一般[編集]
出場選手[編集]
- 各チームは、試合ごとに53人の選手を登録することができる。
- 各チームは、53人中46人をアクティブ、残る7人をインアクティブとして、各試合前に事前に登録する必要がある。
- プレーできるのは、アクティブ登録の選手のみ。インアクティブ登録の選手は、サイドラインにいることはできる。
装備[編集]
- 攻撃、守備それぞれには1名だけヘルメット内に無線レシーバーを装備することができる。
これは自チームのコーチからの指示を受信するためである。- 攻撃は、QBとして登録されている選手に装備する。
- 控えQBがプレーに参加する場合、レフリーに申告しなければならない。
- 守備は、チーム全体で2名まで装備して、1人目をプライマリー、2人目をバックアップとして扱われる。
- バックアップの守備選手が、プレーに参加する場合、アンパイアに申告しなければならない。
- 1つのプレーで、1つのチームからレシーバーを装備した選手が2人参加することはできない。
- 攻撃は、QBとして登録されている選手に装備する。
ユニフォーム[編集]
- 各チームは、カラージャージ、ホワイトジャージのいずれかを着用する。いずれを着用するかはホームチームが選択する。この選択はシーズンを通して固定ではなく、試合ごとに選択する。
- ホームチームの多くは、チームカラーを基調としたカラージャージを選択するが、例外的にホワイトジャージを選択することもある。
- ダラス・カウボーイズは、勝率の良さのジンクスから伝統的にホームでもホワイトジャージを着用する(したがって、カラージャージ(紺色)は敵地での試合で相手チームがホワイトジャージを選ばない限り着用することはない)。
- マイアミ・ドルフィンズやタンパベイ・バッカニアーズは、日差しの強いホームで熱がこもらないようにホワイトジャージを選択することが多い(逆に言えば相手チームに熱がこもるようにカラージャージを着用させるため)。ただし日差しの弱いナイトゲームではカラージャージを着用することもある。
- 近年は上記以外のチームも、日中の試合あるいは験担ぎを理由にホームでホワイトジャージを選択することがある。
- 近年、各チームは、サードジャージ(3rd jersey, alternate jersey)と呼ばれるジャージを着用することがある。
元来は、1995-96シーズンにリーグ創設75周年を記念し、“スローバックジャージ”と称して昔のユニフォームを着用した。
これが好評であり、グッズ売り上げにも貢献したこともあり、それ以降も着用するチームが多くなった。
その中から新しいデザインのジャージを着用するチームが増えて、サードジャージとして定着した。
サードジャージは、チームによって、スローバックジャージであったり、セカンドカラーを基調としたカラージャージであったり、カラージャージのレイアウトで色の位置の組み替えたジャージであったり様々である。
主にホームのナイトゲームで着用することが多い。 - ジャージの色がカラー、ホワイトの区別がつけば良く、パンツの色についてはカラーでも、ホワイトでもどちらでも良い。
そのため、カラージャージ、ホワイトジャージの2種類に、カラーパンツ、ホワイトパンツの2種類の組み合わせで4種類のユニフォームを、サードジャージさらにサードジャージ仕様のパンツも組み合わせれば9種類のユニフォームを着用するチームも存在する。
インスタントリプレイ(チャレンジ)[編集]
NFLにはプレーの判定が疑わしい場合、ビデオ判定することがあり、これを「インスタントリプレイ」と呼ぶ。
- 両チームのヘッドコーチは、審判にインスタントリプレイを要求する「チャレンジ」ができる。
- チャレンジする権利は各チームに1試合に2回まで。
ただし2回とも判定が覆った場合のみ、さらにもう1回権利が与えられる。
この回数を超えてチャレンジすると、15ヤード罰退。 - チャレンジする場合、ヘッドコーチはあらかじめ提供された「赤いフラッグ」をフィールドに投げ込む。
- 投げ込むと行っても、審判が視認できればよく、審判の目の前で「赤いフラッグ」を落とすだけでも良い。逆に言えば審判が気づかれなければ無効である。
- チャレンジを受けた場合、レフリーは、ビデオリプレイを確認し、フィールド上の判定が正しいか判断する。
- ビデオリプレイは60秒以内で終了し、速やかに判断を下すことがレフリーに求められている。
- 判定を覆すには明確な証拠が必要で、確証が無い場合はフィールド上の当初の判定が優先される。
- 判定が覆らなかった場合、チャレンジしたチームからタイムアウト1回が没収される。
- タイムアウトがないチームには、チャレンジする権利はない。
タイムアウトなしにチャレンジすると15ヤード罰退。 - 判定が覆っても、覆られなくても、チャレンジ回数はカウントされる。
- タイムアウトがないチームには、チャレンジする権利はない。
- 「前後半の残り2分以降」、「オーバータイム」、「すべての得点プレーの直後」、「ターンオーバーとなったプレー」ではチャレンジはできない。
- 全ての得点プレーおよびターンオーバーは自動的にオフィシャル・レビューされる。
- 前後半の残り2分以降およびオーバータイムで疑わしい判定があった場合は、ビデオリプレイ担当審判の発議によるインスタントリプレイ(オフィシャル・レビュー)を行う。
- チームからチャレンジを求めると、15ヤード罰退。
- 2012シーズンまでは、チャレンジするとオフィシャル・レビューも行われなかった。
- 2013シーズンより、チャレンジした場合、15ヤード罰退となるが、オフィシャル・レビューは実施する。2012シーズンにデトロイト・ライオンズのシュワンツHCが誤って投げ込んでしまい、レビューされなかった事態が問題となり、ルールを改正した。このことから「ジム・シュワンツ・ルール」とも呼ばれる。[10]
- 得点ではないと判断されたプレーについて、「得点ではないかという疑義」についてはチャレンジ可能。
- オフィシャル・レビューの場合でも、判定を覆すか否かは、フィールドにいるレフリーが判断する。
- プレーすべてについてチャレンジできるわけではなく、以下のようなことに限定されている。
- プレーでサイドライン、ゴールライン、エンドゾーン、エンドラインの各ラインに対してどうであったか。
- 得点プレーでラインを超えていたか(アウト・オブ・バウンズであったか否か)。
ボールキャリアがゴールラインを超えたか否か。 - パスが成功、失敗、インターセプトの成立の判断材料として、サイドライン、ゴールライン、エンドゾーン、エンドラインに対してどうだったか。
- ランナーがフィールドの中か外か。
- ルースボールのリカバリーがフィールドの中か否か。
- 得点プレーでラインを超えていたか(アウト・オブ・バウンズであったか否か)。
- パスプレー
- パスが成功したのか、不成功となったのか、インターセプトが成立したか。
- 有資格レシーバーや守備選手によるボールのタッチがあったのか。
(タッチしていないことはパスキャッチ妨害の成立要因) - パッサー(QB)がパスを投げたのか、ファンブルしたのか。
(フォワード・プログレッション(前方へのパスが投げられる過程)の有無) - スクリメージ・ラインを超えてからの不正な前方へのパスであったか。
- ターンオーバー後に不正な前方へのパスであったか。
- スクリメージ・ライン後方での、前方へのパスだったか、後方へのパスだったか。
- その他
- ランナーが守備選手の接触でダウンしなかったとする判定に対する判断。
ダウン・バイ・コンタクトがあったのでないかという疑義。 - ファンブルが発生したプレーで、ダウン・バイ・コンタクトとする判定に対する判断。
ファンブルであったのではないかという疑義。 - パッサーのファンブルと思われるプレーで、パス不成功であったとする判定に対する判断。
ファンブルであったのではないかという疑義。 - ルース・ボールがアウト・オブ・バウンズであったとする判定に対する判断。
リカバーがあったのでないかという疑義。 - キックにタッチしたか。
- フィールドゴール、トライのキックが成功したか。
- スナップしたときの選手の人数。
- 不正な前方への手渡し。
- ランナーが守備選手の接触でダウンしなかったとする判定に対する判断。
- プレーでサイドライン、ゴールライン、エンドゾーン、エンドラインの各ラインに対してどうであったか。
- 以下の項目は、リプレイの対象外。
- 計時の状態。
- ダウン数。
- 反則の有無。
- 他のインスタントリプレーの判断の過程で露呈した反則は採用する。
たとえば、タッチダウン・パスと認定したプレーをレビューした結果、レシーブした選手が自らアウト・オブ・バウンスに出ていたことが判明した場合、「無資格レシーバーのタッチ」の反則と判断する。 - 逆に他のインスタントリプレーの判断の過程で、反則の立脚根拠がなくなった場合、反則を取り消す。
たとえば、パス・インターフェアレンスの反則と判断したプレーで、他の理由でレビューしたとき、インターフェアレンス発生前に、ボールへの正当なタッチがあったと判明した場合、インターフェアレンスの反則が成立しないため、反則を取り消す。 - レビューしたプレーで反則があり、反則の施行の有無を宣告した後に、レビューして判断が変わった場合、あらためて罰則の施行をすべきか否かを判断する。
オフェンスのタッチダウンと判断されたプレーでディフェンスのオフサイドがあったとき、いったん罰則辞退を宣告した後に、レビューした結果タッチダウンを取り消した場合、オフサイドの罰則を採用して、ディフェンス側の5ヤード罰則を適用する。
- 他のインスタントリプレーの判断の過程で露呈した反則は採用する。
- ランナーが守備選手の接触でダウンしたとする判定に対する判断。
- タッチダウンやファーストダウン獲得とは関係のない前進位置。
- 不用意なホイッスル。
人気[編集]
NFLはアメリカで最も人気のあるプロスポーツリーグである。アメリカ大手世論調査会社ハリス・インタラクティブの2014年12月時点での調査[1]によると、最も好きなスポーツのトップはプロアメリカンフットボールであり、他の北米4大プロスポーツリーグを大きく引き離している。大手世論調査会社ギャラップの調査によると、アメリカンフットボールは1968年に野球の人気を初めて上回り、それ以降不動の全米一番人気スポーツという地位を維持し続けている[11]。2012年12月時点の調査では、返答者の63%がプロアメリカンフットボールのファンであると回答している[12]。
NFLで最も人気のあるチームは、ハリス・インタラクティブの世論調査によると、ダラス・カウボーイズであることが多い[13]。カウボーイズは、NFL屈指の名門チームであり、アメリカを象徴するチームとして『アメリカズチーム』と称されている。スーパーボウルの最多優勝記録を持つピッツバーグ・スティーラーズとNFLの最多優勝記録を持つグリーンベイ・パッカーズも人気チームの常連であり、2011年の調査では前者が2位、後者が3位になった[13]。パッカーズは、人口10万人程度の小さな都市を本拠地にしながら、1試合平均7万人以上の観客動員数を誇る。シーズンチケットのキャンセル待ちの人数が非常に多いことでも知られており、入手まで平均956年を要するとされる[14]。近年人気が高まっているチームとしては、2001年以降9回のスーパーボウル出場と6回のスーパーボウル制覇を達成したニューイングランド・ペイトリオッツなどが挙げられる[13]。
アメリカにおいてNFLの放送は極めて人気が高く、2019年の年間視聴率TOP50のうち41番組が、TOP10のうち7番組はNFLゲームである[15]。
経営[編集]
順位 | リーグ | チーム数 |
---|---|---|
1 | NFL | 26 |
2 | NBA | 9 |
3 | MLB | 6 |
4 | プレミアリーグ | 5 |
5 | ラ・リーガ | 2 |
6 |
ブンデスリーガ | 1 |
リーグ・アン | 1 |
NFLの年間の総収入は、2019年シーズンで160億ドルと推定されており、世界最大のプロスポーツリーグである[3]。アメリカの経済誌フォーブスが2021年に発表したアメリカメジャースポーツの各チームの資産価値の格付けランキングでは、ダラス・カウボーイズが57億ドルであり、NFLで最も資産価値が高いチームであると同時に、サッカークラブのレアル・マドリードなどを上回り、全世界のスポーツチームで1位となった[16]。
アメリカの4大スポーツリーグで最も健全な運営を行うリーグであり、ほぼ全チームが黒字経営である。ただし、年によっては赤字経営となったチームもあり、2005年度はニューオーリンズ・セインツが唯一の赤字経営球団となったが、これはハリケーン・カトリーナの影響でホームスタジアムが使えず、サンアントニオなどで公式戦を行ったからである。サラリーキャップというチームに所属する全ての選手の年俸の総額に一定の上限金額および下限金額を設けて規定する制度を導入して厳しく運用しているため、球団の支出は抑制され健全な経営に貢献している。それでもNFL選手の年俸は特にトップクラスの選手を中心に非常に高い。フォーブスの2016年時点での調査によると、世界のアスリートの年収ランキングトップ100では、NFLの選手が21名ランクインしてメジャーリーグの26名に次いでおり、サッカーやNBAよりも多い。また、NFLの選手で最も年収が多いのは、カロライナ・パンサーズのキャム・ニュートンであり、推定5310万ドルである[17]。
NFLの1試合の平均観客動員数は、2012年シーズンのレギュラーシーズンで6万7000人を超えている[2]。最も多かったのはダラス・カウボーイズの8万8531人であり、最も少なかったのはオークランド・レイダースの5万4216人である[2]。レギュラーシーズンの試合数自体が各チーム17試合と非常に少なく、チケットの入手が容易ではないこともあって、観客動員は1試合の平均収容可能人員の90%以上に相当する動員を記録している[2]。収益力においてはレギュラーシーズン各チーム162試合のメジャーリーグや82試合のNBAなどを圧倒的に凌駕している。
レベニュー・シェアリングにより普通席の入場料収入は60%ほどがリーグ全体でシェアされるため、各チームは収入を独占できる特別席の割合を増やした新スタジアムの建設を追求することが多い。建設ができない場合、有利な条件を求めて本拠地を移動することがある。2016年にはラムズがセントルイスからロサンゼルスへ移動し、2017年にはチャージャーズがサンディエゴからやはりロサンゼルスへ移動した。2020年シーズンからはレイダースがオークランドからラスベガスに移動した。
戦力均衡の追求[編集]
NFLのリーグ運営は設立当初から「スポーツの魅力とは最高のレベルで戦力の均衡したチームが繰り広げる競争状態である」という理念のもとに行われている。そのため、戦力や資金力が特定のチームにだけ片寄ってしまうことのないように様々な戦力均衡のための制度が導入されている。
レベニュー・シェアリング (Revenue sharing)、サラリーキャップ、ウェーバー制ドラフトなどにより資金力と戦力を均衡させ、ニューヨークのような大都市にあるチームも、グリーンベイのような地方の小都市にあるチームも、可能な限り対等な条件で戦う仕組みを作っている。
レベニュー・シェアリングは40年以上前にその仕組みの原型は完成している。テレビ放映権、グッズ売り上げ、スポンサー収入は一旦プールされたうえで同一金額が各チームに分配され、入場料収入もホームチームに約60%、ビジターチームに約40%が分配されている。
サラリーキャップは上限だけでなく下限も規定しており、チームが利益を優先して出費を渋ることを防いでいる。2013-2016年および2017-2020年は、それぞれの4年間の総額が上限の88.8%の下限を下回ることができないと定められている。下回った場合の差額はその4年間にチームに属した選手に分配される。ただしサラリーキャップ下限の導入は、戦力均衡のためというよりは、年俸上昇を求める選手会との交渉の結果である[18]。
試合日程の編成は前年度の成績のよいチームが若干厳しい相手と対戦する。レギュラーシーズン17試合のうち3試合は、3つの別地区で昨シーズンの地区内順位の同じチームとの対戦となり、成績の良かったチームほど厳しい対戦となる(詳細はレギュラーシーズンのフォーマット参照)。
対戦チーム分析のカギとなるスカウティング映像(対戦相手の戦術分析用の映像)についても、リーグ機構がこれを撮影・管理しており、これを全チームが同条件で共有している。また、ドラフトで指名される可能性のある大学選手の情報についても、同様である。 例えば、あるチームが知名度の低い大学に知られざる逸材を発見したとしても、その選手に関する調査を開始する前にリーグに通知しなければならない。リーグは直ちにその選手のスカウティング映像を得るため撮影チームを送り込み、その映像は全チームで共有されることになる。また、その選手を見つけたチームが、他チームより前にその映像を見ることは許されない。
さまざまな戦力均衡策が実を結び、サラリーキャップが導入された1994年以降でスーパーボウル連覇を達成したチームは、サラリーキャップ導入をまたいで連覇したダラス・カウボーイズを含めて、わずか3チームしかなく(93-94ダラス・カウボーイズ、98-99デンバー・ブロンコス、04-05ニューイングランド・ペイトリオッツ)、3連覇を達成したチームはスーパーボウル史上1チームも出ていない(2019-2020 シーズン終了時点)。
選手獲得[編集]
ドラフト[編集]
NFLドラフトは毎年4月に行われる。完全ウェーバー制により、32チームが前シーズン順位の下位から上位への順で、7ラウンドで指名を行うが、実際の順番はトレードやフリー・エージェント補償での譲渡により大幅に変更される。
ドラフトされ入団した選手はラウンドごとに定められた年俸で4年契約を結び、5年めの契約はチームが選べるオプションとなる。
サラリーで重みづけしたフリー・エージェントによる得失が計算されて、損失を出したと判断されるチームには補償ドラフト(Compensatory Draft)の選択の機会が与えられる。
何らかの事情でドラフトに参加できなかった選手に対しては毎年追加ドラフト(Supplemental Draft)が行われる。各チームは翌年のラウンドを賭けて入札し、最も上位のラウンドを賭けて権利を獲得したチームは翌年のドラフトでそのラウンドの権利を失う。
また新規にチームが創設された時に限ってエクスパンジョン・ドラフト(Expansion Draft)が行われる。
ドラフトは大学4年生が対象であるが、下級生でも定められた期日までに届け出を出せば対象となる。
ドラフトは、一般参加が可能なイベントであり、例年数十万人のファンが訪れる年間カレンダーで最も重要なイベントの一つとなる。開催都市は、全米各都市を持ち回りで決定される。
フリー・エージェント[編集]
契約の切れたNFLの選手は自動的にフリー・エージェントになる。フリー・エージェントには以下の種類がある。
- Exclusive-rightsフリー・エージェントは2年以下チームでプレーした選手であるが、チームの提案する契約にサインするか、一年間プレーしないことを選ぶしかない。
- Restrictedフリー・エージェントは3年以上4年未満チームでプレーした選手の権利であり、選手は他のチームと交渉できるが所属チームは他チームと同条件で引き留める優先権を持つ。優先権を行使しない場合は、所属チームの契約提案に相応のドラフト順位を一つ与えられて補償される。
- Unrestrictedフリー・エージェントは4年以上チームでプレーした選手の権利であり、選手は他のチームと交渉でき、所属チームには何の優先権も補償もない。
フランチャイズ・タグとトランジション・タグ[編集]
各チームは、複数年契約を結んでない選手をとりあえず一年確保するため、一人だけフランチャイズ・タグを付けて守ることができる。フランチャイズ・タグを付けられた選手は、前年の120%の報酬と、リーグ内の同じポジションの最高報酬トップ5の前年の平均のうち高いほうの一年契約が約束される。フランチャイズ・タグには独占的(exclusive)フランチャイズ・タグと非独占的(non-exclusive)フランチャイズ・タグの二種類がある。後者のほうが一般的である。
- 独占的フランチャイズ・タグを付けられた選手は他チームと交渉が出来ない。
- 非独占的フランチャイズ・タグを付けられた選手は他チームと交渉出来るが、所属チームは他チームと同一条件で引き留められる優先権を持ち、優先権を行使しない場合は一巡目のドラフト順位2つを与えられて補償される。
さらに、フランチャイズ・タグを使用しなかったチームは、トランジション・タグを一人の選手に付けることができる。
- トランジション・タグをつけられた選手には前年の120%の報酬と、リーグ内の同じポジションの最高報酬トップ10の前年の平均のうち高いほうの一年契約が約束される。選手は他チームと交渉でき、所属チームは同条件で引き留める優先権を持つが、優先権を行使しない場合の補償はない。
タグをつけられた選手はプレーを拒否することもできるが、無報酬となる。
タグをつけられた選手がその後複数年契約を結ぶ、あるいはトレードされることもある。
2年連続してタグをつけられた選手は、前年の120%の報酬と、リーグ内の同じポジションの最高報酬トップ5の前年の平均のうち高いほうを受け取る。3年連続してタグをつけられた選手は、前年の144%の報酬と、リーグ内の同じポジションの最高報酬トップ5の前年の平均のうち高いほうを受け取る。同一選手に4年連続してタグをつけることはできない。
2019年の例では、6人が非独占的フランチャイズ・タグを与えられ、独占的フランチャイズ・タグおよびトランジション・タグはどの選手にも与えられなかった。
自由契約とウェーバー[編集]
各チームは選手を自由契約にすることができる。2月1日と7月4日の間のオフシーズンに自由契約となった選手は自動的にフリーエージェントとなる。
7月4日からレギュラーシーズン終了時までの間に自由契約となった選手は24時間のウェーバー公示となる。レギュラーシーズン終了時から2月1日の間に自由契約となった選手は10日間のウェーバー公示となる。いずれの場合も直前シーズンの成績で決定されるドラフト順の上位のチームに優先権が与えられて、現在の契約のまま自動的に獲得される。公示期間に獲得されなかった選手はフリーエージェントとなる。
トレード[編集]
レギュラーシーズン8週目の次の火曜日からシーズン終了までの期間を除き可能である。選手だけでなく将来のドラフト指名権を加えてトレード対象とすることが一般的である。
テレビ放送権[編集]
NFLのテレビ放映権は、レギュラーシーズン・ポストシーズンともに、全試合がNFLと放送局との間で契約が結ばれる。放映権料は各チームにほぼ均等に配分され、レベニュー・シェアリングの源泉となっている。
なお、他のメジャースポーツ (MLB , NBA , NHL) では、リーグが放映権を管理するのは全国放送やポストシーズンなど一部であり、それ以外のローカル放送はチームが放送局と直接契約することから、チームによって収入に大きな差が出ている。
以下の放送のほか、NFL独自の配信サービスであるNFL Game Passが全試合の配信を行う。
2022年までの放映権料/配信権料は次の通り(金額は推定)[19]。
- FOX:NFL on FOX (アウェーチームがNFCであるレギュラーシーズン日曜日、感謝祭、およびほとんどのポストシーズンの試合) 11億ドル/年(2014年 - 2022年)、サーズデーナイトフットボール のうち11試合 6.6億ドル/年[20][21][22](2018年-2022年)(ただしサーズデイナイトフットボールは2021年シーズンまで[23])
- CBS:NFL on CBS (アウェーチームがAFCであるレギュラーシーズン日曜日、感謝祭、およびほとんどのポストシーズンの試合) 10億ドル/年(2014年 - 2022年)
- NBC:Sunday Night Football 、およびポストシーズンのワイルドカード2試合とディビジョナルプレーオフ1試合 9.5億ドル/年(2014年 - 2022年)
- ESPN:Monday Night Football 19億ドル/年(2014年 - 2022年)
- NFL Network :Thursday Night Football
- DirecTV:NFL SUNDAY TICKET 19億ドル/年(2015年 - 2022年)[24]
- ABC /ESPN: ワイルドカード 1億ドル/年 (期限不明) [25]
- Amazonビデオ:Thursday Night Football のうち11試合に加えてシーズン後半に行われる現地土曜日開催の一試合 6500万ドル/年 (2020年 - 2021年) [26][27]
2023年シーズンから2033年シーズンまでの11年間は、総額1130億ドルで、以下の放送局・配信業者に権利が与えられる[28][29]。
- FOX:NFL on FOX(アウェーチームがNFCであるレギュラーシーズン日曜日、感謝祭、およびほとんどのポストシーズンの試合)(Tubiによる配信を含む) 20億ドル/年
- CBS:NFL on CBS (アウェーチームがAFCであるレギュラーシーズン日曜日、感謝祭、およびほとんどのポストシーズンの試合)(Paramount+による配信を含む) 20億ドル/年
- NBC:Sunday Night Football (Peacockによる配信を含む)20億ドル/年
- ESPN:Monday Night Football (ABCによる地上波放送、ESPN+による配信を含む)27億ドル/年
- Amazonビデオ:Thursday Night Football 132億ドル/年 (2022年シーズンから2032年シーズンまで[27])
また、上記の期間スーパーボウルはCBSが2023,2027,2031シーズン、FOXが2024,2028,2032シーズン、NBCが2025,2029,2033シーズン、ABCが2026,2030シーズンを放送する[30]。
経緯[編集]
1956年、CBSにより、NFLのレギュラーシーズンの中継が始まる(それ以前はチャンピオンシップゲームなど一部の試合のみ中継されていた)。
1960年に発足したAFLは、ABCと5年間にわたる放映権契約を結び、その放映権収入を各チームに分配することにより、NFLに対抗して誕生し、すぐに消滅したほとんどの競合リーグと異なり、AFLの運営を軌道に乗せることを可能とした。
1961年、プロスポーツリーグが一つのTVネットワークとの独占契約を可能とする法律が可決されたことを受け、1962年シーズンよりNFLがCBSとの独占契約を結び、AFLに追随する形で放映権収入を各チームに分配した。AFLは1965年よりNBCと独占契約を結んでいる。
1966年、NFLとAFLの合併が合意に達し、翌1967年に行われた第1回のNFL-AFLワールドチャンピオンシップゲーム(のちのスーパーボウル)をCBSとNBCが共に放送した。第2回以降はCBSとNBCが交互に放送した。
1970年の旧NFLとAFL合併による新NFL発足後は、CBSが旧NFLの流れを汲むNFC、NBCがAFLの流れを汲むAFCの放映権を保有することになった。NFC所属チームとAFC所属チームが対戦する際には、アウェイチームが所属するカンファレンスの放映権を保有する局が放送を担当する。また、同年シーズンより、ABCによりマンデーナイトフットボールが新設された。
1982年の放映権更新以降、スーパーボウルの放送はマンデーナイトを放送するABCも加わり3社による持ち回りになった(ABCによる初の中継は1985年の第19回)。放映権の変動があった現在では、NBC(第49回(2015年)、第52回(2018年)、第55回(2021年))、CBS(第50回(2016年)、第53回(2019年)、第56回(2022年))、FOX(第51回(2017年)、第55回(2020年)、第58回(2023年))の順に担当することになっている。
1987年シーズンより、ESPNによりサンデーナイトフットボールの放送を開始。野球中継との兼ね合いからシーズン後半のみの放送だったが、1990年シーズンにはTNT(「NFL on TNT」)によって、シーズン前半にも編成されるようになる。
1993年末、1956年以来CBSが放映権を保有していたNFCの放映権を当時新興であったFOXが破格の放映権料(4年間15.8億ドル、その前の4年間にCBSが払った放映権料は2.9億ドル)で獲得。4大ネットワークの仲間入りを果たすきっかけになった。一方、CBSは放映権とともにいくつかの有力な加盟局もFOXに奪われ、経営的に打撃を受けた。
1998年には、4シーズン前FOXに放映権を奪われたCBSがNBCの保有していたAFCの放映権を獲得。また、同年シーズンよりサンデーナイトの放送がESPNに統一された。
2005年シーズンをもってABCがマンデーナイトから撤退、翌2006年シーズンより同じディズニー傘下であるESPNが引き継ぐことになる。サンデーナイトは新たにNBCが獲得、「NBCサンデーナイトフットボール」として放送される。また、サンクスギビングデーのゲームのうち新設された1試合(従来、ダラス・カウボーイズ、デトロイト・ライオンズのホームゲームが行われてきた)とシーズン終盤に行われる木曜日・土曜日のゲームの計8試合はNFL自ら所有するNFLネットワークが「サーズデーナイトフットボール」・「サタデーナイトフットボール」のタイトルで放送することになった。
2008年シーズンからは、北米以外の地域でNFL Game Passによる配信が始まった。
2012年シーズンより、サーズデーナイトはWeek2からWeek15まで拡張(この年のみ開幕戦は水曜夜に変更)、サンクスギビングデーの放送はNBCに譲ったものの、NFLネットワークの中継は13試合となった。2014年シーズンはWeek2からWeek16までの14試合に加え、Week16の土曜日に開催される2試合の計16試合が放送されるが、Week2からWeek8までの7試合、およびWeek16土曜日のうち1試合はCBSでもサイマル放送されることになった[31]。
2014年シーズンからは、日曜昼間の中継を担当するFOXとCBSとの間で注目度の高いゲームが片方の局に偏ることを防ぐことを目的とする「クロスフレックス」制度が採用され、本来FOXが放送するNFC所属チーム同士の対戦やNFC所属チームがアウェーとなるゲームがCBSで、逆に、本来CBSが放送するAFC所属チーム同士の対戦やAFC所属チームがアウェーとなるゲームがFOXで放送されることがある[32]。プレイオフについても変更があり、NBCは従来ワイルドカードプレイオフ2試合を担当していたが、ワイルドカードプレイオフ、ディヴィジョナルプレイオフ1試合ずつとなり[33]、ESPNが新たにワイルドカードプレイオフ1試合を担当する[34]。2015年シーズンは、ESPNが放映権を持つワイルドカードプレイオフ1試合がABCでも放送される[35]。
2015年までは「試合開始72時間(3日)前までにチケットが完売できない場合、スタジアムから75マイル(約120km)以内のエリアでは試合が放送されない」という特別なルール(ブラックアウトルール)が設けられていた[36]。これは「ホームゲームはあくまでスタジアムで観戦するべきものであり、テレビ中継は遠征先での試合を観るための手段」という考え方に基づく。2015年にこのルールは廃止された。
2015年シーズンからは、北米でもNFL Game Passによる配信が始まった。
2016年シーズンと2017年シーズンには、サーズデーナイトの放送のうちそれぞれ5試合を、NFLネットワークに加えてNBCとCBSでも放送した。
2017年シーズンには、北米や日本を含む地域で、Amazonビデオがサーズデーナイトの10試合の非独占配信を行った。その後2022年シーズンまで配信契約が延長された。
2018年シーズンからは、サーズデーナイトの放送権がCBSおよびNBCからFOX独占となった。2022年シーズンまで続く契約となっている。
この他、1994年より衛星放送のディレクTVが日曜午後に行われる全試合(最大14試合。地上波では地元チーム中心に3(通常NFC・AFC担当局のいずれかダブルヘッダーを組む)- 4試合(Week17は両担当局ともダブルヘッダー)しか視聴できない)を放送する「NFL SUNDAY TICKET」を開始している。2014年10月、NFLと2022年までの契約延長に合意した[37]。
2021年3月、2023年シーズンから2033年シーズンの11シーズンにわたり、放送・配信権の更新が行われた[28]。放映権料はほぼ倍増し、サーズデーナイトはAmazonビデオが独占することとなった。
日本での放送[編集]
2020-2021年シーズンでは、以下の二局が放送している。
- 日テレG+(NFL on 日テレG+)
- 2016-2017年シーズン以降、レギュラーシーズンは週に生中継2、3試合程度。録画放送も2、3試合程度。ポストシーズンはスーパーボウルを含め、全試合を生中継している。NFLドラフトの一部も生中継する。
- 2015-2016年シーズンまではレギュラーシーズン 週3 - 5試合(うち生中継1 - 3試合)。サンデーナイトはほぼ全試合中継(2014年シーズンは全試合生中継)。ポストシーズンは ワイルドカードからカンファレンス・ チャンピオンシップまでを一日一試合生中継し他の試合も録画中継、プロボウル生中継。2012年よりスーパーボウルも生中継を開始した。
- NHK BS1(NFL中継)
- 2016-2017年以降はレギュラーシーズンを録画のみで週2試合以下。プレーオフはカンファレンスチャンピオンシップおよびスーパーボウルを生中継し、他は録画中継。プロボウルも録画中継。
- 2015-2016年シーズンまではレギュラーシーズン 原則週3試合(うちシーズン開幕戦とMLBシーズン終了後のマンデーナイトは生中継あり)。マンデーナイトはほぼ全試合中継。ポストシーズン ワイルドカード - ディヴィジョナルプレイオフ(各1試合)、カンファレンスチャンピオンシップ・スーパーボウルは生中継。それ以外も全試合放送していた。
日本での配信[編集]
- NFL Game Pass
- 上述のように全世界と同様に全試合の配信。
- DAZN
- 2016-2017年シーズンより日本でNFLのオンライン配信を開始し、レギュラーシーズンは週3〜7試合を、ポストシーズンは全試合を生配信および録画配信。
- Hulu
- 2016-2017シーズン以降は、日テレG+が放送する試合の一部をリアルタイム配信している。
- Amazonプライム・ビデオ
- 上述のように全世界と同様の配信内容。
過去の日本での放送・配信[編集]
スーパーボウルについては、テレビ朝日やTBS(「月曜ロードショー」枠)で放送していた時期もあったが、シーズン通じての放送は、地上波では1970年代に東京12チャンネル(アメリカン・プロフットボールアワー)で放送した後、1988年から日本テレビが放送を始め(1994年から1996年までは放送せず)、衛星放送では1986年頃から試験放送がされ[38]、1989年にNHK BS1によって開始された。
レギュラーシーズンに関しては、1998年にはスカパー!のパーフェクト チョイスで週4〜5試合生中継を含むパッケージ「NFLシーズンチケット」を開始したが採算がとれず、放送4年目の2001年シーズンをもって放送終了した。翌2002年シーズンよりGAORAで生中継を開始し、2015-2016年のシーズンまで継続した。日本テレビ系のBS日テレでは開局後の2001年シーズンから2006年シーズンまで放送した。
NFLとロサンゼルス[編集]
アメリカ国内で圧倒的な人気を誇るNFLであるが、ロサンゼルスは全米を代表する大都市にも関わらず、1995年から2015年までNFLに対するフランチャイズを持っていなかった。
かつてラムズ、レイダースと2チームが本拠地として持っていたにも関わらず、1994年を以って両チームとも他都市に本拠地を移転した。
ラムズの場合、チームは弱小だったゆえに興行収入も冴えず、また、アナハイム地区を本拠としながらロサンゼルスと名乗っていたことから、市民がスタジアムの改修費用を拒否したことが移転のきっかけである。そこでかねがね、NFLの誘致に力を入れていたセントルイスに白羽の矢が立ち、同チームは移転するや、すぐさま市民に受け入れられ、NFL屈指の観客数を誇るチームへ成長した。
レイダースは元々、オークランドにフランチャイズを持っていたが、さらなる顧客獲得を目指してより人口の多いロサンゼルスへ引っ越した。しかし、チームが低迷すると途端に市民は応援しなくなり、興行収入が激減したため、13シーズンを過ごした後にオークランドに戻った。
2002年に行われたエクスパンションでもロサンゼルスは新チームの誘致に名乗りを上げた。一旦は、ロサンゼルスに決まったが、スタジアム建設・改修の遅延、オーナー・サポートの脆弱性を指摘され、ヒューストンに変更された。その時でさえ、市議会の熱気とは裏腹に、市民の関心は薄かったといわれている。実際住民の多くは、フットボールに関しては、南カリフォルニア大学などNCAAの強豪校があることから、大学フットボールには興味があるものの、NFLに対する興味は他の大都市でのそれに比べて低いことが同結果につながった。
また、2006年シーズンのスーパーボウル直前恒例の会見では、グッデル・コミッショナーが、ロサンゼルスにチームを設立する意思や調査は認めつつ、エキスパンションは当分しない旨を発言した。一方、既存チームについては、現在のホームを維持することに注力することを明言しており、チーム移動による設立も、困難な見通しを明らかにしていた。
さらに、NFLでのプレイが脳障害を引き起こすという研究結果が報告され、2000人以上の元NFL選手がリーグを相手に訴訟を起こしている中[39]、労働者保護の手厚いカリフォルニア州への移転はますます難しくなったと言われていた[40]。
しかしその後、NFL側は更なる興行収入アップのためにロサンゼルスに再びフランチャイズを持って行きたいと考え、地元でもロサンゼルスで複数のプロスポーツ団体を運営するAEGがステイプルズ・センター近隣に計画したものなど誘致を前提とした新スタジアムの構想が複数発表された。2015年頃からオーナーミーティングの場において、再三ロサンゼルスへの本拠地移転について話し合われ、かつてロサンゼルスを本拠地にしていたラムズやレイダースの他、チームのルーツをロサンゼルスに持つサンディエゴ・チャージャーズの移転の可否が取り沙汰された[41]。
ラムズはロサンゼルス空港にほど近いイングルウッド市のハリウッドパーク競馬場跡地に8万人収容のスタジアムを建設する計画を提示し、チャージャーズとレイダースはロサンゼルスから南方20キロほどの位置にあるカーソン市に17億ドル(約2,000億円)をかけてスタジアムを建設し、両チームで共有する計画を提示した[42]。
その結果、2016年1月12日に行われたオーナー会議において、ラムズのロサンゼルス移転が承認された。その一方で、チャージャーズはラムズとスタジアムを共用する場合に限って移転が承認され、レイダースはチャージャーズが辞退した場合に限って同じ条件で移転が承認されることになった[43]。2016年シーズン、ラムズはロサンゼルス・メモリアル・コロシアムを暫定本拠地として移転した。2017年1月13日、チャージャーズの2017年シーズンからのロサンゼルス移転およびスタブハブ・センターの暫定本拠地化が発表され、レイダースのロサンゼルス移転はなくなった。その後、2017年3月にレイダースのラスベガス移転が決定し、2020年からラスベガスのアレジアント・スタジアムに移転した[44]。ラムズとチャージャーズは2020年シーズンから、ハリウッドパーク競馬場跡地に新設のSoFiスタジアムを共用している。
NFL設立のエピソード[編集]
1920年8月20日、オハイオ州カントンにあるジョーダン&ハップモービル社という小さな自動車ショールームの一角で、当時アメリカ・オハイオ州に存在したアメリカン・フットボールリーグ「オハイオ・リーグ」に所属するアクロン・プロス、カントン・ブルドッグス、クリーブランド・タイガース、デイトン・トライアングルスの4チームからなる、アメリカン・フットボールの将来を決める会議が行なわれた。
9月17日には第2回目の会議が同じくオハイオ州カントンで開かれたが、この時には上記4チームに加えて、インディアナ州からハモンド・プロスとマンシー・フライヤーズ、ニューヨーク・プロフットボール・リーグからロックアイランド・インディペンデンツ、イリノイ州からディケーター・ステーリーズ(現シカゴ・ベアーズ)とランシー・カーディナルス(現アリゾナ・カーディナルス)が参加し、APFA(American Professional Football Association)の設立が決められた。
このAPFAが現在、アメリカ合衆国におけるメジャースポーツのひとつNFL(National Football League)の前身となった。
更にバッファロー・オールアメリカンズ(ニューヨーク・プロフットボール・リーグ)、シカゴ・タイガーズ、コロンバス・パンハンドルス、デトロイト・ヘラルズが加わり、そしてカントン・ブルドッグスのジム・ソープがAPFAの初代プレジデントに任命された。
しかし、対戦スケジュールなどは各チーム毎の任意となり、よって試合数や対戦相手もバラバラで正式な(平等な)記録はないに等しいシーズンとなったが、唯一の無敗チームだったアクロン・プロスが、翌1921年4月30日にカントンで開かれた会議で栄光ある初代王者であると認定され、Brunswick-Balke Collender Cupが授与された。この対戦は非公式に「NFL 1920シーズン」と呼ばれている。
NFLインターナショナルシリーズ[編集]
NFLはイギリスおよびメキシコで公式戦を開催している。2020年シーズンは、新型コロナウイルス感染症流行により、アメリカ国外の試合はすべて中止された[45]。2021年シーズン以降、各チームが少なくとも8年に1度は国外で公式戦を戦う[6]。
ロンドン開催[編集]
イギリスのロンドンには、1991年から1998年までワールドリーグ・オブ・アメリカンフットボール(後にNFLヨーロッパ)のロンドン・モナークが存在していた。
NFLの国際戦略の一環として、2007年よりレギュラーシーズンのゲームをロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催するようになった試合が、NFLインターナショナルシリーズ(ロンドンゲーム)と呼ばれている[46]。開催には多額の費用がかかることからNFLは2010年には2試合目の開催を断念していたが[47]、2013年には2試合、2014年から2016年までは3試合[48]、2017年には4試合[49]、2018年には3試合、2019年には4試合が行われた。2013年から2016年までは、ジャクソンビル・ジャガーズが1試合ホームゲームを行い[50]、2017年以降もジャガーズのホームゲームがロンドンで開催されている[51]。
試合会場はウェンブリーのほか、2016年シーズンよりトゥイッケナム・スタジアムも使用されている。2019年シーズンは、トゥイッケナムに代わりプレミアリーグ所属のサッカークラブであるトッテナム・ホットスパーFCの新本拠地スタジアム・トッテナム・ホットスパー・スタジアムで開催[51]される。
NFLの国際部門の成長は鈍く、最大の利益を上げているカナダでも人員が8人から減らされる状況の中、ロンドンに一点集中して投資が行われている[52]。
スイートルーム以外の座席収入は、ホームチームの収入ではなく、NFL32チームで分配されている[53]。
チケットは毎年のように発売後数分で完売となっているが[54]、2012年にプロフットボール・ウィークリーの記者が、ロンドン・デイリー・エクスプレスのNFL担当記者に尋ねたところ、それほどの人気ではなく、最も知名度の高い選手は、20年近く前に引退したウィリアム・ペリーだという[53]。
2013年の試合に先立ってリージェント・ストリートで行われたブロックパーティーには50万人が訪れた[55]。
アトランタ・ファルコンズのアーサー・ブランクオーナーは、楽観的な見方をしており、2014年に将来はロンドンにチームができるのではないかと語っている[56]。
なお、2011年2月のNBCスポーツの報道によれば、イギリス国内でのスーパーボウルの視聴者は、300万人から500万人と推測されている[57]。
メキシコ開催[編集]
2016年シーズンからは、インターナショナル・シリーズの一環として2005年シーズン以来となるメキシコでの試合開催が開始されている[58]。メキシコシティのアステカ・スタジアムを使用。2017年シーズンに引き続き[59]、2018年シーズンも開催される予定であったがスタジアム環境の不備により中止された。2019年シーズンは予定通り開催された。
ファンタジー・フットボール[編集]
リアル世界とバーチャル世界が連動するスポーツゲームであり、NFLの全32チームからお気に入りの選手を選んで仮想のチームを編成しておくと、その選手たちのリアル世界での試合でのプレー内容一つ一つに応じて自分が編成した仮想のチームに得点が加算され、成績と勝敗が決まる。[60]
ファンタジー・フットボールのプレイヤー比較ツール「Player Comparison Tool」などの機能には、リアルタイムにデータを処理するために、NFLと提携関係にあるドイツのソフトウェア大手SAPが提供する「SAP HANA」や「SAP Cloud Platform」といった高速データ処理プラットフォーム、「SAP Lumira」(ルミーラ)という分析ツールが採用されている。[60]
関連項目[編集]
- NFLネットワーク
- NFLフィルムズ
- NFLヨーロッパ - NFLがアメリカンフットボール普及を目的に、主に欧州で開催していたリーグ。NFLはアメリカ国内ではいわゆるマイナーリーグはもとより、独立リーグ(セミプロ)的なリーグもないため、NFLヨーロッパが事実上のマイナーリーグと見なされていたが、2007年に活動を停止した。
- CFL(カナディアン・フットボール・リーグ) - カナダのカナディアンフットボールのプロリーグ。カナディアンフットボールはアメリカンフットボールと非常によく似たスポーツだが、プレイ人数やフィールドの大きさ、いくつかのルールが異なっている。
- AFL(アリーナフットボールリーグ) - 1987年にアメリカで創設された、室内で行うアメリカンフットボール(アリーナフットボール)のプロリーグ。AFLのマイナーリーグとしてaf2 (arenafootball2) がある。
- USFL - 1983-1985年に運営され、2022年に復活予定のプロリーグ
- XFL - 2001年、および2020年にそれぞれ1年だけ運営されたプロリーグ
- アライアンス・オブ・アメリカン・フットボール - 2019年に運営されたプロリーグ
- NFLの一覧記事
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
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- ^ a b ファンタジー・フットボールを通じてファンとの関係をさらに強化するNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)