WordPress 5.8、そしてこれからのウィジェット

以下は、Chloe Bringmann が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「Widgets in WordPress 5.8 and Beyond」を訳したものです。

誤字脱字誤訳などありましたらフォーラムまでお知らせください


文章・デザイン: @critterverse

WordPress 5.8 では、ウィジェットエリアで Gutenberg ブロックが使えるようになりました。つまり、高度にカスタマイズ可能なレイアウトとスタイル設定により、WYSIWYG 編集 (見たまま編集できる) の体験に近づくことができます。

3つの別々のウィジェットエリアを備えた古き良き Twenty Sixteen テーマをベースに、テストサイトを作成してみました。この投稿では、ウィジェットで実行できるようになった便利なことの一部と、今後の方向性に焦点を当てていきます。

1つのサイドバーウィジェットエリアと2つのフッターウィジェットエリアを持つ個別投稿のズームアウトビュー。サイトのコンテンツはマリンパーク・ソルトマーシュについてのものです。各ウィジェットエリアの横に並べているブロックのリスト表示は、デザインがどのように構築されているかを示しています。

重ねたレイアウトとデュオトーン画像でおもしろい視覚効果を作り出す

外観に関しては、ユーザーはウィジェットエリアをこれまで以上にコントロールできます。特に、カバーや画像ブロックなどのカスタマイズオプションを備えたブロックを使用することで高度なコントロールが可能になります。これが、旧ウィジェットエディター (上) で作成できるものと、新しいブロックベースのウィジェットエディター (下) で作成できるものです。

ビジュアルデザイン全体にウィジェットとカスタムコードを混合させる

カバーやカラムなどのコンテナブロックを使用すると、動的要素やインタラクティブな要素をデザインに簡単に織り込むことができます。これは多くのウィジェットに当てはまりますが、ウィジェットのブロックバージョンは、コンテナブロック内で簡単にまとめたりレイヤー化して、レイアウトに完全に統合できます。

以下の例では、カバーブロックの前に検索ブロックを配置してみました。これにより、良いレイヤー効果を作ることができます。また、カラムブロック内にカスタム HTML ブロックを挿入して、時刻に応じて異なるメッセージを表示しました (jQuery スクリプト)。

タイトルと構造に柔軟性。旧ウィジェットレイアウトも使用するオプション

クラシックウィジェットには、ウィジェットにタイトルが必ず含められているという制限がありました。ウィジェットエリアにブロックを配置することの利点のひとつは、タイトルの表示が完全に柔軟であることです。たとえば、すべてのウィジェットにタイトルを付けたり、各ウィジェットエリアの上部に1つのタイトルだけを配置したりすることもできますし、デザインにタイトルをまったく必要としない場合もあるでしょう。

注: Twenty Twenty-One などの一部のテーマでは、ウィジェットエリア内でコンテンツを横方向にレイアウトするように設計されています。テーマがレイアウトをカラムに分割してしまう問題が発生する場合は、グループブロック内に含めることで、複数のブロックをまとめておくことができます。

グループ化または入れ子になったまとまりがある場合とない場合のサイドバーウィジェットエリアのリストビューを並べた比較。

WordPress パターンディレクトリから既存のレイアウトをコピー & ペースト

ブロックパターンはまだウィジェットエディターに完全に統合されていませんが、革新的な WordPress パターンディレクトリからサイトのウィジェットエリアにパターンをコピー & ペーストする、ということは可能です。パターンディレクトリから、この横並びの CTA (注意喚起) パターンをほぼそのまま使用しましたが、色とテキストを少し調整しました。

段落テキストと "Join now (今すぐ参加)" ボタンが別のカラムにあり、"Become a monthly patron (月毎の支援者になる)" と書かれた黒いボックスのあるフッターウィジェットエリア。岩に当たる波の絵画の画像。間にスペースがなく、真下にあります。

注: パターンはまだウィジェットエリア用として選別・連携されていないため、予期しない動作が発生する可能性があります。この機能は、ウィジェット編集の次のプレビューであると考えてください。

Gutenberg ハイライト

以下は、Matias Ventura が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「Gutenberg Highlights」を訳したものです。

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先日開催された WordCamp Europe で、WordPress プロジェクトリードであるマットと一緒に Gutenberg プラグインの最新の開発状況について議論し、その現在、そして今後のハイライトを紹介する動画を共有しました。

このデモ動画のナレーションは @beafialho が担当し、WordPress の編集やカスタマイズ体験を向上させるために世界中で行われている貢献者たちの素晴らしい活動を認識する良い機会となりました。ライブに参加できなかった方のために、この動画がオンラインで視聴できるようになりました。

動画で日本語または英語の字幕を表示するには、動画下部のキャプション機能をご利用ください。

また、マットは自身のブログに質問用のスレッドを開いているので、質問があればぜひそこに書き込んでみてください。

デュオトーンフィルターで画像に色付け

以下は、Chloe Bringmann が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「Did You Know About Reusable Blocks?」を訳したものです。

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文章: Alex Lende

WordPress 5.8より、デュオトーンフィルターを使って画像やカバーブロックに色付けできるようになりました。デュオトーンは、デザインにポップな色を加えたり、テーマとうまく調和するように画像をスタイリングすることができます。

フィルターとは、Instagram みたいなものですか ?

デュオトーンは、Instagram のフィルターとまったく同じようには機能しません。Instagram のフィルターは、色の調整 (色レベル/カーブ、ヴィネットなど) を行いますが、新しいデュオトーンフィルターは、画像の色を完全に置き換えます。

Cat – Original
写真: Charles Pragnell

デュオトーン効果は、白黒のフィルターのようなものであり、シャドーが黒・ハイライトが白になっている代わりに、シャドウとハイライトの色を自分で選ぶことができます。

例えば、シャドー/ハイライトの色を黒と白にすればグレースケールフィルター、茶色と褐色にすればセピアフィルターになります。

類似色を選ぶと繊細な効果が演出でき、文字を目立たせたいカバーの背景にぴったりです。’

補色を使うと、より鮮やかで面白い効果が得られます。

デュオトーンフィルターを追加するには

デュオトーン効果はコントラストの高い画像で最も効果を発揮するため、大きな暗い部分と明るい部分がたくさんある画像から始めましょう。ブロックツールバーの「フィルター」ボタンからプリセットを選択します。

また、テーマのパレットから色を選ぶこともできますし、カスタムカラーを選ぶこともできます。

デュオトーンは、画像ブロックに加えて、カバーブロックでも画像と映像の両方に適用できます。

Duotone

デュオトーンはメディアライブラリの画像を上書きしてしますか ?

メディアライブラリの画像や動画が変更されることはありません。デュオトーン効果は、SVG フィルターCSS のフィルター属性を使って動作するため、ライブラリ内の画像や動画が変更されることはありません。このことは、メディアライブラリに存在しないリンク先の画像にフィルターを適用できることを意味します。一方で、RSS フィードや画像の URL を直接使用する場所では、フィルターが表示されないことを意味します。

自分で開発したブロックやテーマにデュオトーンカラーを追加することはできますか ?

ブロックにデュオトーンカラーを追加する API は、Gutenberg v10.6では実験的なものです。とはいえ、独自のブロックで使用するためのドキュメントはブロックエディターハンドブックの「Supports Color (色対応)」に掲載されており、更新される予定です。テーマでは、theme.json でデュオトーンのプリセットを追加できます。詳細は「ブロックエディターハンドブック」の「グローバル設定とスタイルのプリセット」に記載されています。

Gutenberg プラグインを使って今すぐ試してみましょう

デュオトーン機能は、Gutenberg プラグインのバージョン10.6でリリースされたため、7月の WordPress 5.8 のリリースに先立って、今すぐお試しいただけます。

Openverse (オープンバース) へようこそ

以下は、Josepha が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「Welcome to Openverse」を訳したものです。

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WordPress の共同創業者であるマット・マレンウェッグの先日の声明と、クリエイティブ・コモンズ CEO キャサリン・スティラーの投稿を受けて、CC Search (新しい名称は Openverse) が WordPress のオープンソースプロジェクトの一部になったことを正式に発表できることを嬉しく思います。マットも私も、クリエイティブコモンズの長年の支援者です。これにより、クローズドソースのフォトライブラリに対して長期的かつ持続的な挑戦を行い、WordPress のエコシステムがさらに強化されることを期待しています。

現在のユーザーへの影響

現在のCC Search ユーザーは、引き続きインターネット上でオープンライセンスの画像を検索し、利用することができます。WordPress は、クリエイティブコモンズ・プロジェクトが始めた素晴らしい活動を継続し、検索機能を拡張していく予定です。

次のステップ

今後は、音声や動画などの追加メディアのインデックス化と検索ができるようになることを期待しています。機能を拡張し、プロジェクトを成長させていく中で、Openverse を WordPress やメディアライブラリに直接統合していきたいと考えています。私たちは、オープンにライセンスされたメディアの検索と埋め込みを可能にするだけでなく、さらに皆さんのメディアにライセンスを追加して共有することで、恩恵を還元したいと考えています。

コントリビュートするには

Slack チャンネルの #openverse を訪れ、GitHub で WordPress オーガニゼーションの下に移動されたコードリポジトリを見てみましょう。また、このプロジェクトは、https://make.wordpress.org/openverse にある独自の Make ページでもご覧いただけます。現在、新しいチーム、プロセス、手順の設定に取り組んでいます。

Join us in welcoming the team and community. As a treat, check out the most recent WP Briefing episode, The Commons of Images, in which Matt and I discuss CC Search and our hopes for it as part of the WordPress community.

チームとコミュニティに歓迎の意を表します。こちらの Podcast エピソード “The Commons of Images” では、マットと私が CC Search と WordPress コミュニティの一部としての同プロジェクトへの期待について話しています。

フルサイト編集機能が気になる方へ

以下は、Josepha が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「Curious About Full Site Editing?」を訳したものです。

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今年2回目のメジャーリリースが目前に迫ってきました。WordPress 界隈で、「フルサイト編集 (Full Site Editing/FSE)」に関する話題を耳にしたことがあるかもしれません。この記事では、知っておくべき全体像と、更に詳しく知りたい方のための道しるべとなるリンクをご紹介します。

サイト保有者や、運営者の方へ

WordPress でサイトを運営されている方にとって、バージョン5.8へのアップデートは他のアップデートと同様にシームレスに行うことができるはずです。フルサイト編集に関する話題はとてもエキサイティングですが、心配する必要はありません。次のリリースでのフルサイト編集に関連するものはすべてオプトインのオプションです。自由に試すには、専用に作られたテーマが必要です。最後のリンクで例の一部をご覧ください。

サイト制作会社、テーマ/プラグイン開発者の方へ

クライアント向けに WordPress CMS の機能を拡張している場合も、バージョン5.8へのアップデートはシームレスに行うことができます。いつものように、カスタム実装の部分をステージング環境でスポットチェックするか、リリース候補 (RC 版) が利用可能になった時点で完全にテストするのが賢明です。プロダクトをテストして、完全な状態でクライアントに提供したいと考えている場合は、下記のテストオプションをご利用ください。

コントリビューターとボランティアの方へ

WordPress プロジェクトに時間と専門知識を提供していただるようであれば、WordPress 5.8 のリリースに向けた面白い作業に参加していただき、作業をやり遂げた深い満足感を持ってサイトを更新していただけます。デザインや開発、ドキュメントや翻訳など、リリースごとに多くの作業が行われます。時間に余裕があって、あなたのサイトを支えるツールを支えるプロジェクトを支援したい方は、以下のリンクをチェックしてみてください。

リソース

ブロックパターンの作り方

以下は、Beatriz Fialho が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「So you want to make block patterns?」を訳したものです。

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ブロックパターン

テーマやプラグインなど、WordPress のブロックエディターで何かを作ったことがある人は、ブロックパターンについても聞いたことがあるかもしれません。

WordPress に同梱されているパターンを眺めていて、これについて短い記事を書くのも良いかなと思いました。パターンは知っているととても便利なショートカットなのですが、一体何なのかとか、使う場面を知らない方も多いと思います。

ブロックパターンとは

パターンはあらかじめ配置されたブロックの集まりで、多様に組み合わせたり配置を変えることができるので、美しいコンテンツをもっと簡単に作れるようになります。レイアウトをスタートするためのツールとして、必要に応じてコンテンツに追加してすぐに使うことがで、1個のブロックのようなシンプルなものから、全ページのレイアウトのような複雑なものまであります。

ブロックライブラリ内のブロックパターン

パターンは、ブロックライブラリのタブに格納されています。クリックしたりドラッグしたりすると、サイトのスタイルでプレビューできます。

ブロックパターンの例

基本的にブロックパターンとは、あらかじめ束ねられた単なるブロックです。

<!-- wp:group -->
<div class="wp-block-group"><div class="wp-block-group__inner-container"><!-- wp:separator {"className":"is-style-default"} -->
<hr class="wp-block-separator is-style-default"/>
<!-- /wp:separator -->
<!-- wp:image {"align":"center","id":553,"width":150,"height":150,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none","className":"is-style-rounded"} -->
<div class="wp-block-image is-style-rounded"><figure class="aligncenter size-large is-resized"><img src="https://blockpatterndesigns.mystagingwebsite.com/wp-content/uploads/2021/02/StockSnap_HQR8BJFZID-1.jpg" alt="" class="wp-image-553" width="150" height="150"/></figure></div>
<!-- /wp:image -->
<!-- wp:quote {"align":"center","className":"is-style-large"} -->
<blockquote class="wp-block-quote has-text-align-center is-style-large"><p>"Contributing makes me feel like I'm being useful to the planet."</p><cite>— Anna Wong, <em>Volunteer</em></cite></blockquote>
<!-- /wp:quote -->
<!-- wp:separator {"className":"is-style-default"} -->
<hr class="wp-block-separator is-style-default"/>
<!-- /wp:separator --></div></div>
<!-- /wp:group -->

ブロックエディターを使っていくつかのブロックを好きなように設定するだけで、難しい作業の部分は終了です。

ブロックライブラリに入れるには

ハンドブックにはもっと詳しい説明がありますが、結論から言うと以下のとおりです。

<?php 
/*
Plugin Name: Quote Pattern Example Plugin
*/

register_block_pattern(
	'my-plugin/my-quote-pattern',
	array(
		'title'       => __( 'Quote with Avatar', 'my-plugin' ),
		'categories'  => array( 'text' ),
		'description' => _x( 'A big quote with an avatar".', 'Block pattern description', 'my-plugin' ),
		'content'     => '<!-- wp:group --><div class="wp-block-group"><div class="wp-block-group__inner-container"><!-- wp:separator {"className":"is-style-default"} --><hr class="wp-block-separator is-style-default"/><!-- /wp:separator --><!-- wp:image {"align":"center","id":553,"width":150,"height":150,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none","className":"is-style-rounded"} --><div class="wp-block-image is-style-rounded"><figure class="aligncenter size-large is-resized"><img src="https://blockpatterndesigns.mystagingwebsite.com/wp-content/uploads/2021/02/StockSnap_HQR8BJFZID-1.jpg" alt="" class="wp-image-553" width="150" height="150"/></figure></div><!-- /wp:image --><!-- wp:quote {"align":"center","className":"is-style-large"} --><blockquote class="wp-block-quote has-text-align-center is-style-large"><p>"Contributing makes me feel like I\'m being useful to the planet."</p><cite>— Anna Wong, <em>Volunteer</em></cite></blockquote><!-- /wp:quote --><!-- wp:separator {"className":"is-style-default"} --><hr class="wp-block-separator is-style-default"/><!-- /wp:separator --></div></div><!-- /wp:group -->',
	)
);

?>

👆 これは PHP のスニペットですので、WordPress のプラグインに落とし込んだり、もっと簡単に言えば、テーマのfunctions.php ファイルに貼り付けたりすることができます。完了すると、以下のようになります。

区切り線、中央配置の画像、引用、区切り線を含むブロックパターン

画像を含むパターンでは、画像をどこに保存するかを考える時間を割く価値があります。TT1 Blocks テーマ (“TwentyTwentyOne Blocks” の略) では、画像をテーマライブラリに保存しています。

次のステップ

ブロックパターンは、ブロックライブラリから挿入した時点でユニットとしてのまとまりを失ってしまいます。作ったパターンから切り離された単なるブロックの寄せ集めになり、好みに合わせてカスタマイズできるものになるのです。パターンはテンプレートではなく、あくまでもショートカットです。これはつまり、テーマの切り替えやパターンプラグインの無効化を気にする必要はないということでもあります。挿入済みのブロックがどこかに行ってしまうこともありません。

とはいえ、あるパターンをとても気に入って、まったくカスタマイズせずに何度も使いたい場合は、再利用ブロックにすることもできます。

再利用ブロックは、その名の通り、再利用するために作成されます。この機能を使うのに良い場面は、よく使うちょっとしたスニペットを保存しておいて、一箇所で編集することで挿入したものすべてを更新するといった時です。「Twitter でフォロー」、「シリーズに含まれる記事一覧」、「メルマガ購読」などがその好例です。

良いブロックパターンとは

現在 WordPress コアに含まれるパターンは、利用できる機能によって制限されます。ブロックエディター上で文字間隔をカスタマイズできない場合、ブロックパターンでもそれは実現できません。グローバルスタイルプロジェクトではブロックの機能を拡張していく予定ですが、それまでは、利用可能なツールを使っていくしかありません。

それでも、色、画像、タイポグラフィといった最も基本的な要素があれば、多くのことが可能になります。

画像とテキストを含む3カラムのブロックパターン
画像とテキストを含む3カラム
右側に画像 、左側にメディアとテキストを配置したブロックパターン
右側に画像 + メディアとテキスト

これらのパターンは、WordPress のコアに採用される可能性があるものとしてデザインしたのですが、すべてに共通するいくつかの特性があります。

テーマが共通している。

パターンは、サイトの一部と考えることができます。パターンは全体の一部であるため、同じテーマを共有する他のパターンの文脈の中で存在するのが最も効果的です。上のパターンには、「自然」、「アート」、「建築」といったテーマを共有したものなどがいくつかあります。このように、複数のパターンを組み合わせることで、サイトの複数のページを一度にまとめることが可能になります。

画像背景のカバーブロック上に見出し、パラグラフ、ボタンを配置したブロックパターン

ミニマルなカラーパレットが共通している。

全体を構成するパーツであるパターンは、必然的に異なる色を使ったコンテキストで使われます。色数を減らすことで調和の可能性が高まると同時に、ジャストフィットさせるためのカスタマイズも少なくて済みます。

見出しと2カラムのパラグラフを含むブロックパターン

最高のパターンは、それなくしてはできないようなことを実現する。

画像をオフセットしてユニークなシルエットを作ったり、目立たない機能 (カバーブロックの固定配置など) を利用したりすることで、創造性を発揮することができます。

ヒント: プラグイン由来のブロックも含めて、どんなブロックでもパターンに使うことができます。また、そのブロックがブロックディレクトリにあって、まだお使いの WordPress に存在しない場合は、ワンクリックでインストールするよう促されます。

こちらのプラグインをどうぞ

<?php 
/*
Plugin Name: Quote Pattern Example Plugin
*/

register_block_pattern(
	'my-plugin/my-quote-pattern',
	array(
		'title'       => __( 'Quote with Avatar', 'my-plugin' ),
		'categories'  => array( 'text' ),
		'description' => _x( 'A big quote with an avatar".', 'Block pattern description', 'my-plugin' ),
		'content'     => '<!-- wp:group --><div class="wp-block-group"><div class="wp-block-group__inner-container"><!-- wp:separator {"className":"is-style-default"} --><hr class="wp-block-separator is-style-default"/><!-- /wp:separator --><!-- wp:image {"align":"center","id":553,"width":150,"height":150,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none","className":"is-style-rounded"} --><div class="wp-block-image is-style-rounded"><figure class="aligncenter size-large is-resized"><img src="https://blockpatterndesigns.mystagingwebsite.com/wp-content/uploads/2021/02/StockSnap_HQR8BJFZID-1.jpg" alt="" class="wp-image-553" width="150" height="150"/></figure></div><!-- /wp:image --><!-- wp:quote {"align":"center","className":"is-style-large"} --><blockquote class="wp-block-quote has-text-align-center is-style-large"><p>"Contributing makes me feel like I\'m being useful to the planet."</p><cite>— Anna Wong, <em>Volunteer</em></cite></blockquote><!-- /wp:quote --><!-- wp:separator {"className":" s-style-default"} --><hr class="wp-block-separator is-style-default"/><!-- /wp:separator --></div></div><!-- /wp:group -->',
	)
);

?>

パターンを作りたい場合のために、このサンプルプラグインでは、上でご紹介したパターンのうち2つを採用しています。プラグインのフォルダーに入れれば、ブロックライブラリに表示されます。

アバターと引用のブロックパターンが追加されたパターンタブ
「テキスト」カテゴリーにインストールされたパターン

自由に調整し、カスタマイズして、お好みのようにしてください。結局のところ、これは GPL ですから !

WordPress の GDPR コンプライアンスツール

以下は、Andrew Ozz が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「GDPR Compliance Tools in WordPress」を訳したものです。

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GDPR の遵守は、すべての WordPress サイトにとって重要な考慮事項です。GDPR コンプライアンスチームは、現在コア内で開発中のプライバシーテストをテストするためのヘルプを求めています。

GDPR とは

GDPR は「EU一般データ保護規則」の略語であり、欧州連合 (EU) 内のすべての個人のためにデータ保護を強化し統一することを目的としています。その主な目的は、EU の住民が再び自分の個人情報をコントロールできるようにすることです。

なぜ急ぐ必要があるのかというと、GDPR は2年前に発表されましたが、2018年5月25日から施行されるからです。

Make WordPress GDPR コンプライアンスチーム

現在 GDPR コンプライアンスチームは、WordPress ベースのサイトの同法遵守を手助けすることが大規模かつ継続的な課題であることを理解しています。チームは、包括的なコアポリシー、プラグインガイドライン、プライバシーツール、およびドキュメントの作成に集中しています。これらのすべてで、皆さんの助けを必要としています。

GDPRコンプライアンスチームは以下の4つのエリアにフォーカスしています。

  • サイト所有者がサイトの包括的なプライバシーポリシーを作成するのを助けるための機能を追加する。
  • プラグインを GDPR 対応にするためのガイドラインを作成する。
  • コンプライアンスを容易にし、一般的にユーザーのプライバシーを奨励するための管理ツールを追加する。
  • サイト所有者にプライバシーおよび GDPR の主要な要件を教えるためのドキュメントや、新しいプライバシーツールの使用方法を追加する。

すでにプライバシーポリシーがあったのでは ?

そうですが、そうでない部分もあります。とは言え、GDPR はより厳しいガイドラインと制限を課すことになります。プライバシーページを作成する多くのプラグインがありますが、統一された包括的なプライバシーポリシーを生成する手段が必要です。ユーザーが容易にコンプライアンスに対応できるツールが必要になります。

サイト所有者は、GDPR に準拠したプライバシーポリシーを3つのステップで作成することができるようになります。

  1. ポリシー向けの専用ページを追加する。
  2. プライバシー情報をプラグインから追加する。
  3. ポリシーをレビューし、公開する。

ポリシーを編集する際には、新しい「投稿ボックス」がページ編集画面に追加されます。ユーザーデータを収集または格納するすべてのプラグインは、そこにプライバシー情報を追加できます。さらに、プラグインの有効化、無効化、または更新後にプライバシー情報が変更された場合、サイト所有者に注意喚起します。

メールアドレスによってユーザーのリクエストを確認する機能が追加される予定です。これは、サイト所有者がユーザーからの個人データの表示、ダウンロード、または匿名化のリクエストを確認できるようにするためのものです。

新しい「プライバシー」ページが「ツール」メニューの下に追加されます。ここにはユーザーからの新しい確認済みのリクエストとすでに完了したリクエストが表示されます。また、個人データのエクスポートや匿名化のためのツールや、不正試行を防止するためメールによる確認を依頼するためのツールも含まれています。

プライバシーに関する新しいセクションがプラグインハンドブックに追加されます。これには、ユーザープライバシーに関する一般情報、プラグインが準拠するために必要なこと、WordPress の新しいプライバシー関連機能を使用するためのヒントと例が含まれています。

新しいプライバシーツールは、4月末または2018年5月初旬にリリースされる予定です。

参加・貢献するには

皆さんにぜひ手伝っていただきたいです。最初の一歩は、認識と教育です。今後のプライバシーツールの詳細については、ロードマップを参照してください。

WordPress コアの開発やと新しいプライバシーツールのテストに参加したい場合は、Make WordPress Slack グループの #gdpr-compliance チャンネルに参加してください。

Ephemera 「短冊」ウィジェット

WordPress の新バージョン 3.2 の標準テーマ Twenty Eleven には、新しいウィジェット「短冊」が加えられています。このウィジェットの名称は、元の英語版では Ephemera 。これを日本語版ではなぜ「短冊」とすることになったのか、というお話です。

本題に入る前に、予備知識として投稿フォーマットについて見ておきましょう。投稿フォーマットとは、投稿記事の種類によって記事の見せ方に変化をつけるために、WordPress 3.1 から導入されました。複数の文章・段落から成る「ちゃんとした」記事を標準とすれば、ちょっとした短い記事はアサイド、リンクが主でそれにちょっとコメントする程度の場合はリンク、同様に引用が主の場合は引用、一枚の画像を対象とした画像、Twitter のひとつの tweet のような近況報告はステータス……ほかにもいくつかありますが、詳しくは Codex の各投稿フォーマットについての説明をご覧ください。投稿記事ごとにこの投稿フォーマットを指定しておけば、それぞれに応じた見せ方をテーマのほうで用意して、ブログ全体にメリハリをつけることができます。

さて、この「短冊」ウィジェットをたとえばサイドバーに配置すると何が表示されるのでしょうか。そこには、アサイド・ステータス・引用・リンクの各投稿フォーマットを指定されている記事のリストが現れます。

ではいよいよ、このような機能のウィジェットがなぜ英語では Ephemera 、そして日本語では「短冊」という名称なのか、という本題に入っていきます。

Ephemera は辞書を引くと、昆虫のカゲロウ(蜉蝣)、転じて短命なもの、という意味です。WordPress 日本語版作成チームは、3.2 のベータ版の頃、とりあえずこれを「カゲロウ」とそのまま訳していました。3.2 リリースが間近になって、ひとりが

Ephemera の訳「カゲロウ」はさすがに違和感がありますので良い日本語訳はないでしょうか ?

と疑問を投げかけました。カゲロウといえば「はかなきもの」の象徴だが英語でもそうなのだろうか、短命の美をポジティブにとらえた表現なのだろうか、でもなぜ上述の投稿フォーマットを指してそのカゲロウなのか……と議論しつつ、日本語では直截に「ひとこと」「短信」、それに「うたかた」などの案が出てきました。

そのうちに、ひとりが

Wikipediaによると
エフェメラ (ephemera) は一時的な筆記物および印刷物で、長期的に使われたり保存されることを意図していないものを指す。しばしば収集の対象となる。」

という情報をもたらしました。するとカタカナで「エフェメラ」にしておくのも選択肢のひとつ、ということになります。

後になって「エフェメラ」は、実は図書館情報学で用いられる学術用語であることがわかってきました。ここまでわかってからようやく google で「エフェメラ」を検索してみると、印刷業界では「端物印刷物」を愛着を込めて「エフェメラ」と呼ぶことがある、などということがわかりました。なるほど、それで上述の機能を持つウィジェットが英語で Ephemera という名称なんですね。

「一枚紙にまとめて」と言うときの一枚紙、あるいは一枚物、というのが近いとのことですが、今回は Webに表示される用語ですから一枚も何もないわけで、違和感があります。確かに日本でも「エフェメラ」で通用する分野があることはわかりましたが、一般的とは言えません。

日本語版作成チームで話すうちに、さらに「一筆もの」「一筆箋」などの案が出ましたが、どうもいまひとつです。そうするうちに7月7日になり、七夕ムードの中でひとりが Twitter で

Ephemera の訳語はもう「短冊」でいい気がしてきた

とつぶやきました。これに別のひとりが反応しました。

短冊は、短歌・俳句はもちろん、名言や座右の銘、それに日本画のものもよくあります。職場に目標や安全標語を書いて貼っているやつも短冊といいます。もちろん七夕に笹に飾るのも短冊です。その小ささといい、アサイド・リンク・引用・ステータスという投稿フォーマットを載せるのにはぴったりです。

この案にほかのメンバーの多くも賛意を示し、日本語では「短冊」ウィジェットと称することにしたのです。

「短冊」という語を目にして「何だこれ ?」と思われることもあるでしょう (おそらく英語圏での Ephemera も同じような反応ではないかと想像します)。今回の翻訳作業を通じて「エフェメラ」という語とその意味についての知識を得ることができ、せっかくなのでそれを広めたい (皆さんもうご存じのことでしたか ?)、そして WordPress 日本語版作成チームの活動の一端を紹介したいという気持ちで、ここに書いてみました。

2.9のメディア機能アンケート結果発表

以下は、2009年7月31日に書かれた WordPress.org 公式ブログの記事、「2.9 Features Vote Results」を訳したものです。本文内のリンク先はすべて英語ページです。


7月の初めに、3500人以上の皆さんが2.9のリリースのために提案されたメディア機能の一部に優先順位をつけるためのアンケートに協力してくれました。2.9向けの機能は、現在新機能を開発する人をマッチングしている最中のため、最終的には確定していませんが、アンケート結果を共有し、どういったアプローチを考えているかを知ってもらえればと思います。

まずは結果です。唯一の入力必須項目だった冒頭の質問では、バージョン2.9に含めるメディア機能を一つだけ選ぶならどれにしますか?と尋ねました。もっとも投票率が多かったのは、(現在の投稿ごとのギャラリーではなく)独立した、編集可能なフォトアルバムの17.5%でした。かなり接近して次にきたのは、動画ほか、サードパーティからのコンテンツをより簡単に埋め込む機能で、16.5%の票を獲得しました。続いて基本的な画像編集機能(回転、トリミング、サイズ変更)の12.9%。それ以外はそれぞれ10%以下でした。全体の結果一覧は以下の通りです。

Results of question 1

次の質問はオプション回答で(3406名の方が回答してくれました)、各機能の実装優先順位について、最優先から絶対反対までの間の段階で評価してもらいました。結果は質問1と一致したものになり、ほとんどの機能があったら良いという評価を一番多く受けました。質問1で多くの票をとった機能は最優先の評価を多く集めましたが、あったら良いよりも最優先の評価が多かった機能はありませんでした(しかし、メディアアルバム、埋め込みの簡易化、投稿サムネイルはかなり近いところまでいっていました)。完全なまとめの表は、以下で見ることができます。

Results for question 2

質問3は同様の内容をさらに詳しくしたもので、11の機能を皆さんにとって優先順位が高い順に並べてもらう質問でした。各機能の順位が重複しないようにしなくてはならなかったので、複数の機能を同順位にできなくなっていました。これにより、違った結果が得られるかどうか私たちは疑問に思ったのです。一部の機能はこの質問でより高い評価を受けましたが、全体的な結果はやはり質問1と一致したものでした。各機能・順位の結果は以下の通りです。

Results for question 3

質問4では、新しいメディア機能をどのようにコアに含めるかについて尋ねました。コアパッケージにそのまま機能を含める、プラグインとして開発しコアパッケージには含めない、プラグインとして開発してコアパッケージに同梱する、といういずれかを選択してもらいました。

この投票結果は見ていてなかなか興味深かったです。アンケート参加のお願いがまず開発者コミュニティに告知され、その後ユーザーコミュニティに行ったため、投票傾向の変化を観察することができました。投票の最初の方では高度なメディア機能の「コアプラグイン」とする選択肢に票が集中し、後半では機能をそのままコアに含める選択肢に票がかたよっていきました。

この投票結果は、開発者とユーザーの考え方の大きな違いを表していると思います。開発者はコアのコードをすっきりと保ち、高度な機能はプラグインに頼ることに大きな関心を持っているのに対して、多くのユーザーは欲しい機能をプラグインではなくコアに含めてほしいと思っているようです。この質問は最終的に、56.2%がコア機能、38.1%が同梱プラグイン、5.7%が非同梱プラグインを望んでいるという結果になりました。実際の数字は以下です。

Results for question 4

この問題については、明らかにさらなる議論が必要です。また、カノニカル(標準)プラグインシステムや、異なる利用ケース(CMS、フォトログ、作品ポートフォリオなど)に向けたコア「パッケージ」への移行というコンセプトは、今後数ヶ月間の重要な話題となるでしょう。

さあ、それでは、これは今後の機能追加にどういう影響を与えるのでしょうか?投票が終了したあと、結果を #wordpress-dev IRC チャット(開発チャット)で機能開発を分担する話し合いを行いました。

最高得票の機能の独立フォトアルバムは、このプロジェクトは、WordPress 主要開発者のマーク・ジャクィスの指導のもとに、Google サマー・オブ・コード(GSOC)参加者のルドルフ・ライが作業中です。GSOC は2週間足らずで終了する予定ですが、その時点でルドルフのプロジェクト進捗を評価する予定です。できれば、2.9の開発にこれを組み込み、テストを行い、コードや UI の修正を適宜行い、2.9のリリースに含めたいと思っています(コア内またはプラグインのどちらになるかは未定)。他の機能も、メディア用プラグインを作ってきたコア貢献者によって提供されることは間違いないでしょう。

次に人気があった埋め込みの簡易化機能は、複数の方法で検討中です。一つ目は、サードパーティサービス用のショートコードを増やすというアプローチです。こちらの作業はすでに始まっています。さらに、Viper’s Video Quicktags plugin(Viper 動画クイックタグプラグイン)で有名な Viper007Bond は、コアの埋め込み機能を改善する作業を引き受けてくれました。実際にどのように動作するかはまだはっきり分からないのですが、楽しみにしていてください。

画像の90度のローテーション、トリミング、サイズ変更など、基本編集機能の追加は、開発チャットでは目立った支持を得ました。また、これらの機能を持ったプラグインはすでに複数あるため、近いうちの実現が有望だと我々は考えています。

投稿サムネイルは、以前にこの機能を作成したことのあるマーク・ジャクィスが担当しています。公式レポジトリに同様のプラグインを置いているScribuも協力中です。

下位にランクインした機能も無視されているわけではありませんが、他に作業進行中の(メディア関連以外の)機能よりも優先度が低くなるかもしれません。私がお気に入りの2.9の機能のひとつはすでにトランクのコードに含まれていて、コンテンツを削除する方法に変化をもたらします。コメントや投稿などを「本当に削除しますか?」と聞く、うっとおしいポップアップにはもうさよならです。代わりに、すばやくてわずらわしくない上、間違って削除してしまった場合にコンテンツを元に戻すこともできるゴミ箱を使った削除処理を導入します。Gmail のスタイルのような感じです。また、固定ページ管理も改善できればと考えていますが、技術的な問題がいくつかあるため、これは3.0の機能になってしまうかもしれません。

いつも通り、いくつもの方法で開発の進捗を追うことができます。

  1. Trac を追跡してください。パッチを貢献したり、パッチをテストしたり、時間があればチケットを読むだけでも構いません。 現在、2.9マイルストーンに向けた500以上のチケットがあります。パッチ作成とテストにより、この数を減らす協力ができます。
  2. Twitter で Trac のコミットをフォローしましょう。細かいところには関わりたくないけれど、何がコミットされているかだけ知りたいという場合は、Twitter で wpdevel をフォローすれば、コミット情報をタイムラインでつかむことができます。
  3. 開発の検討課題を知りましょう。毎週の IRC Dev チャットごとに、開発者の提案をもとにした検討課題を wpdevel.wordpress.comに投稿しています。このブログでは、特定の開発課題に関する話し合いも行っています。
  4. Dev チャットに参加しましょう。今週からヨーロッパの方のスケジュールに合わせるため、チャットの日程が変わりました。チャットは、UTC時間木曜日21時(日本時間午前6時)に、irc.freenode.com の #wordpress-dev チャンネルにて開催します。
  5. このブログを見守っていてください。もしあなたが開発者ではなくて、主要な告知や機能決定のためにたまに行うアンケート、セキュリティ通知などだけ知りたいという場合は、いままでどおりこのブログを読んでもらえればそういった情報が得られるはずです。
  6. バージョン2.9機能の優先順位決定にご協力ありがとうございました。今年後半、皆さんのサーバーにお届けできることを願っています!

2.9 メディア機能のアンケートに投票を!

以下は、2009年7月7日に書かれた WordPress.org 公式ブログの記事、「Vote for 2.9 Media Features」を訳したものです。本文内のリンク先はすべて英語ページです。


先週の水曜日、コア開発チームと多くの貢献開発者が IRC の #wordpress-dev チャンネルに集まりました。このチャットの目的は、現在開発フェーズに入りつつあるバージョン2.9に含める機能について話し合うことでした。2.9ではメディア関連の機能(訳注: 画像・動画・音声他のファイルアップロードや管理など)に集中することを計画してきており、予想通りメディア関連の機能についての話題が大半を占めました(*注)。

ユーザーからの大きな割合を占めているリクエストは、メディア関連の多機能化/高機能化についてのものです。私たちはこのため、今後もしっかりとした足場となり続けられるようなメディア処理を改善の基盤を次のバージョンで築く事に決めました。この流れに従い、優先して開発する機能を決定する必要があります。

以下が皆さんに投票していただきたい機能です(優先順ではなく原文のアルファベット順です)。

(訳注: 投票フォームは英語のみのため、参考になるよう原文の機能名称も添えています)

メディアフィルターの追加 (Additional Media Filters): 現在のアップローダーでは、パソコンからファイルをアップロードしたり、画像の URL にリンクしたり、メディアライブラリの画像を選択したりできます。この新機能は、メディアライブラリ画面やポップアップのタブに、最近使ったファイル、一番よく使うファイル、お気に入りにマークしたファイルなどの条件をもとにフィルターをかけることができるようにするものです。

画像の基本編集 (Basic Image Editing): 画像のトリミング、サイズ変更、90度のローテーションをできるようにする機能です。

メディア設定の改善 (Better Media Settings): メディア設定画面にある初期設定の数を増やし、アップロードの都度に必要な設定のみ上書きできるようにします。

メディア一括インポート API (Bulk Media Import API): プラグインやインポーター(訳注: 他ブログからの引っ越しに使う WordPress のツール)によってメディアファイルの一括インポートを行えるようにする API を開発します。

カスタム画像サイズ (Custom Image Sizes): サムネイル、中サイズ、大サイズという決まった寸法の代わりに、各サイズの最大寸法を設定できるようにします。

埋め込みの簡易化 (Easier Embeds): 例えば YouTube ビデオなどのサードパーティのコンテンツを埋め込みやすくします。Viper’s Video Quicktags プラグインのようなものです。

メディアアルバム (Media Albums): (投稿内に含めるギャラリーではなく)フォトストリーミング機能のついたスタンドアロンの写真アルバムを作成・編集できるようにします。

メディアメタデータ (Media Metadata): メディアファイルに対してカテゴリーやタグを指定できるようにします。

フォトストリーミング (Photostream): 単に(ギャラリーとしてのグループ化ではなく)時系列順に画像を表示する、Flickr のようなフォトストリーミング機能を追加します。

投稿サムネイル (Post thumbnails): 投稿・記事・抜粋と共に表示する画像を選べるようにします。

メディア UI の改善 (Revised Media UI): アップローダーのインターフェースをリデザインし、メディアファイルの編集をよりシンプルでユーザーフレンドリーなものにします。

これはそんなに長くないアンケートで、必須項目は最初の質問(一番取り入れて欲しい機能の選択)のみです。2番目の質問では、11の提案機能に全体的な優先度をつけることができます。3番目の質問では、1から11のスケールで11の機能の優先度のランク付けができます。それから追加の提案が書き込めるテキストボックスがいくつかあり、以上でアンケートは終了です。

このアンケートは無記名式で、今週いっぱい(日本時間7月11日朝9時まで)投票可能です。

今すぐ投稿!

このアンケートの結果は、2.9でどの機能に焦点を当てるか開発者が決めるのに利用されます。2.9に予定されている機能の一覧は、優先度を決定した後、今月末にこのブログでご紹介する予定です。

決定プロセスは、さまざまな機能のコーディングを行うする開発者が何人いるかによって大きく影響されるはずですので、もし WordPress の開発に貢献しようと思ったことがあるのだったら、参加する良いタイミングです。開発者チャットは、毎週水曜日 9PM UTC(日本時間木曜午前6時)に IRC チャンネル(irc.freenode.com #wordpress-dev)にて開催されています。

*注: メディア機能以外に話題になったものは、技術的な理由により将来のバージョンに先延ばしされたか、又は賛成多数により投票の必要なく 2.9 のロードマップに承認されました。