ISO/IEC 80000

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ISO/IEC 80000は、国際標準化機構 (ISO) と国際電気標準会議 (IEC) が共同で公表した、および単位(quantities and units)に関する国際規格である。

ISO/IEC 80000では国際量体系(ISQ)が取り入れられている。ISO/IEC 80000は、科学や教育の分野の世界的に使用される文書において、物理量や計量単位を使用する際のスタイルガイドである。ほとんどの国で、学校の数学や科学の教科書で使われる表記法は、この規格のガイドラインに厳密に従っている。

ISO/IEC 80000規格ファミリーは、2009年11月に第1部の公表により完成した[1]ISO 31などの旧規格を取り込み、それを置き換えている。

日本工業規格 (JIS) では、主に JIS Z 8000 が相当するが、第2部の数学記号は、ISO 31を翻訳したJIS Z 8202と同様、JIS Z 8201「数学記号」を参照する形になっており、JIS Z 8000の第2部は欠番になっている。2014年3月に第1-8部[2]、2015年12月に第9・10部[3]、2016年12月に第11・12部[4]が発行され、2017年4月現在、第13部以降は未発行である。

[ソースを編集]

ISO/IEC 80000は以下の14の部(part)に分かれている[5]

公表年 内容 置き換えられた規格 状態[6]
ISO 80000-1 [7] 2009年 一般
General
ISO 31-0, ISO 1000, IEC 60027-1, IEC 60027-3 レビュー中
ISO 80000-2 [8] 2009年 自然科学・技術で使用される数学符号・記号
Mathematical signs and symbols to be used in the natural sciences and technology
ISO 31-11, IEC 60027-1 レビュー中
ISO 80000-3 [9] 2006年 空間時間
Space and time
ISO 31-1, ISO 31-2 レビュー中
ISO 80000-4 [10] 2006年 力学
Mechanics
ISO 31-3 レビュー中
ISO 80000-5 熱力学
Thermodynamics
ISO 31-4 レビュー中
IEC 80000-6 電磁気
Electromagnetism
ISO 31-5, IEC 60027-1
ISO 80000-7
Light
ISO 31-6 レビュー中
ISO 80000-8 2007年
Acoustics
ISO 31-7 レビュー中
ISO 80000-9 物理化学分子物理学
Physical chemistry and molecular physics
ISO 31-8 レビュー中
ISO 80000-10 原子物理学核物理学
Atomic and nuclear physics
ISO 31-9, ISO 31-10 レビュー中
ISO 80000-11 特性数
Characteristic numbers
ISO 31-12 レビュー中
ISO 80000-12 固体物理学
Solid state physics
ISO 31-13 レビュー中
IEC 80000-13 2008年 情報学情報工学
Information science and technology
IEC 60027-2:2005(3.8, 3.9), IEC 60027-3
IEC 80000-14 人体生理に関わる遠隔生体認証
Telebiometrics related to human physiology
IEC 60027-7

国際量体系[ソースを編集]

ISO/IEC 80000の第1部は、国際量体系を導入し、国際単位系(SI)との関係を記述している。

具体的には、導入部で「SI単位の基礎として使われる量の間の関係を含む量の体系を「国際量体系」(ISQ)という」と記載されており、さらに、「ISQは、基本的に無限で絶えず進化し拡大している、現代の科学と技術の全てが拠り所とする量と方程式の体系を規定するのに、便利な表記法である」と記述されている。

ISO/IEC 80000における単位[ソースを編集]

ISO/IEC 80000は全てのSI単位を含んでいるが、SI単位以外の物も含んでいる。ISO/IEC 80000に含まれる非SI単位には、データ量の単位(ビットバイト)、情報量の単位(シャノンナットハートレー)、通信トラヒックの単位(アーラン)、レベルの単位(デシベルネーパ)がある。

ISO/IEC 80000は全てのSI接頭辞を含むほか、2進接頭辞も含む。2進接頭辞はIECによってIEC 60027-2として導入されたもので、メガバイト(MB)が10242バイトと10002バイトの2通りの意味で使用されていたのを、10242バイトを表すメビバイト(MiB)を導入することで、メガバイトを明確に10002バイトとして区別できるようにするものである。

関連項目[ソースを編集]

出典[ソースを編集]

外部リンク[ソースを編集]